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■ キョン「――――さあ、零崎を始めよう」

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 02:32:58.20 ID:qzqcQ83sO
開いた理由を聞こうじゃないか。

378 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 01:22:00.09 ID:zVjTjVFz0
 
これは大問題ではなかろうか。
殺してしまったのは仕方ないが、殺してしまったのは問題だろう。
なにせ人殺しだ。取りかえしがつかないし俺には普通のことだが普通は大問題だろう。

「どうしたもんか」

繰り返し呟く。
考えても仕方ないのはなんとなく気付いているが気付かないふりをして、

コンコン、と。

ノックの音でわかった。
ああ、古泉か。
中で朝比奈さんが着替えてたりしないことを確認して、
「失礼します」
古泉が扉を開いて―――

 

379 名前: ◆tSOF7NFWbk :2009/05/09(土) 01:22:55.85 ID:o1tTw8YXO
「それで、みいこさん、何頼みます?」

「この店で一番高いものから頂こうか」
「解りました」
「……なんだ、羽振りがいいな」
「ちょっといい仕事があったんで、懐には余裕あるんですよ」
「ふむ……しかし、いいのかお前」
「……? 何がですか?」
「あの、うにーの子、家にいるんじゃないか」
「ああ、あいつはいいんですよ、あいつの僕への愛は本物ですから、この程度じゃ何も起こりません」
「…………」
「……冗談ですよ、冗談です、冗談ですってば! 帰ろうとしないで下さいよ。今家にいないんです、何でもちょっとややこしいことがあったらしくて、本家にいるんです。そんで暇だったからみいこさんを誘っただけで、やましい気持ちは全くないんです。」
「ほう……」
「それに今アパートに居るのはあいつですよ。みいこさんも知ってるでしょう」
「ん……ああ、お前の友達の……」
「です」

「変な髪の変なピアスの変な服装した可愛い男の子」

「……」

380 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 01:24:39.83 ID:P1y+Pzo3P
>>377
一旦乙
カオスなのもこれはこれで楽しかったぜ
書き溜め頼むぜ

381 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 01:24:51.00 ID:p/yrERrLO
>>377
一旦乙
続き待ってるよ

382 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 01:31:29.96 ID:j99buVU0O
人識も登場か

383 名前: ◆7SHIicilOU :2009/05/09(土) 01:32:08.52 ID:itgStgZpO
書き溜め…あんまり期待すんなwww

正直書いてる時は他の人のを見る余裕あんまないから
いまは読に専したい

384 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 01:36:02.99 ID:zVjTjVFz0
 
カッ 、と。
小さな音。


「………? どうかしましたか、長門さん」
部室に入ろうとしたところを長門に止められ、
玄関で拒否られてるセールスみたいな立ち位置で長門に尋ねる古泉。
長門が扉を閉めていなければ、古泉の頭があったはずの位置に突き立っている短刀には気付いていない。

「今、この部屋に入ることは推奨しない」
「どういうことでしょうか。いえ、中で涼宮さんが着替えている、ということならば理解できますが」
未だに自分の状況を把握できていない古泉だが、
「貴方の生命に関わる」
簡潔に事実を伝えた長門の言葉に、真剣な表情になる。
「あなたが冗談を言うとも思えませんが……どういうことでしょう」
「事実。今この部屋に入れば、貴方は確実に殺される」
「……物騒な話ですね。それは、誰に」

二人の話している間に扉に歩み寄った俺は、なんとなく古泉に錐を突き出した。

 

385 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 01:42:55.03 ID:p/yrERrLO
キョンやべえwwwwwwwwwwwwwwww

386 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 01:46:45.35 ID:zVjTjVFz0
 

「古泉一樹。事態の理解はできた?」
「……いいえ、全く。どういうことか説明をお願いします。
 ええ、この扉は閉じたままで結構です。腰が抜けて動けそうにないですし」

錐は古泉の眼球の奥の脳味噌一直線だったが、
またもや長門が瞬間的に閉じた扉に阻まれ古泉の眼球には数ミリほど届かなかった。
今は扉の向こうにへたりこんでいる古泉の横にでも転がっているだろう。というか閉まる扉が当たった手が痛い。
いや、そんなことを考えるその前に言うべきことがあるな。

「すまん、古泉。殺しそうになった」
「いえ、そんな軽い調子で言われても困るんですが」
「いや、殺されないでくれてよかった。ハルヒは殺しちまったから」
「………今、冗談では済まない言葉を耳にした気がしますね」

古泉の声から、安穏としたものが完全に消えた。
 

387 名前: ◆tSOF7NFWbk :2009/05/09(土) 01:50:48.67 ID:o1tTw8YXO
最初の異変を彼に伝えたのは古泉だった。

「長門が居ない?」
京都内某所のホテルで、それは始まる。
「ええ、さっき長門さんのクラスから報告がありました。今日の最終点呼が終わり、その後、クラスメイトの方々は誰も見ていないとの事です」
現在の時刻はもう今日とは呼べないくらいの時間になっている。最終点呼が八時頃だったことから、約四時間、長門は姿を消しているという。
「それで、俺達になんの連絡もないってのはおかしいな……」
彼女がこのような自体を起こした事はあったが、前回のは彼しか気が付かなかった。だが、今回は全員が気が付いている。
「はい、つまり、何かがあってここに居ない。そしてそれには、なんの不思議な力も働いていないんです」
「?……どうしてそう言える?」

「実は長門さんを見た人がいるんです。八時以降に。ロビーのフロントの方が、北高の制服を着た人物が出ていくのを見ていたそうです」

388 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 01:52:05.52 ID:P1y+Pzo3P
支援

389 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 01:59:57.20 ID:nvLkISTcO
>>43の元ネタが気になる

390 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 02:00:00.27 ID:AR69RVAR0
なんの偶然か、無駄に文章力のある奴等が一同に会しているなw

391 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 02:01:50.98 ID:zVjTjVFz0
 

「冗談じゃないからな」
「それは確かに、冗談ではありませんね……どういうことですか」
「どういうことも何も、俺にも良く分からないんだが、俺はどうも殺人鬼になったらしい」
「笑えないですし意味が分かりません」
どっかで聞いた台詞だ。なぜだか気持ちが良く分かる。
「俺にもよく分からん。ただ、俺はハルヒを殺して、長門を殺しそうになって、今お前を殺すところだった」

「………………長門さん」
理解を放棄したな。説明を求める対象を変えやがった。

「私にも分からない。ただ、彼は間違いなく彼であり、そして紛れもない殺人鬼」
「……どうやら僕の頭か世界のどちらかがおかしくなってしまったようですね」
なんとなく気持ちは分かるが、お前の頭がおかしいんじゃない。
俺や長門やハルヒだったモノも事態の中にいるんだから、お前が世界の中心じゃない以上お前の頭は関係ない。
「いえいえ、この世界が僕の見ている夢ではないなどと証明することはできないわけですし」
いつもの軽口が返ってくる。意外と元気だな。
「現実逃避がしたくなっているんですよ」
気持ちは分かる。今日はやけにこいつと分かり合えそうだ。
「僕の方は無理ですね。さすがに錐で目玉を貫かれそうになっては」

 

392 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 02:02:40.97 ID:a0UX63+B0
>>389
お前なんでこのスレにいるんだよwww

393 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 02:03:13.20 ID:ud3H3G8R0
>>389
いーちゃんと人識の会話の際に地の文であった
具体的にどこといわれると忘れた

394 名前: ◆tSOF7NFWbk :2009/05/09(土) 02:03:54.07 ID:o1tTw8YXO
「この自体は大変深刻です。そして何かがおかしい」

ホテルを出て、適当な道を探索する。

「まず長門さんですが、長門さん自身は自分で出ていかれたのでしょう。そこは普通です。いや、普通と言っていいか解りませんが……
とにかく、ここは置いておきます。おかしいのは周りの方々の反応です。まず長門さんのクラスメイトですが、〔まるで長門さんがいなくなるのが普通〕なような振る舞いでした。教師も同じです。長門さんがいない事を全く問題視していない」

とにかく、広いところへ。そう思って進むと、大きな川に出た。
川にそって、歩く。

「そして、ホテルのフロントですが、こちらは更におかしい。〔誰が入ろうが出ようが容認している〕。そんな風でした。おそらく今あなたがホテルを出ても何の注意も受けないでしょう。長門さんも注意されなかったわけですから」

395 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 02:11:06.65 ID:nvLkISTcO
言われてみればあったような気がしてきた
西尾作品って読みやすいけど面倒な文体だよな

396 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 02:16:00.96 ID:p/yrERrLO
ネウロにブリーチのオサレ成分を足せば西尾っぽい世界観になるような気がする

397 名前: ◆tSOF7NFWbk :2009/05/09(土) 02:16:35.52 ID:o1tTw8YXO
川沿いをずっと歩いていると、誰かが倒れていた。

「あなたがもし出ていかれるのなら、そうすればいい、ですが、僕は行くことは出来ません。僕の任務は涼宮ハルヒに関することなんですから。彼女の元を離れることは出来ません。」

街灯がスポットライトのように、倒れている人物を照らす。

「怨まれようと仕方ないことです。申し訳ありません。ですが、僕としてはあなたに出ていって欲しいとは思いませんね。あなたは涼宮ハルヒのキーであり。SOS団の団員なのですから。」

見慣れた北高の制服。

「そういう意味では、僕は長門さんも大事な方々の中にもちろん入ります。だからあなたを無理に止めようとは思わない」

灰色のショートヘア

398 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 02:18:15.02 ID:zVjTjVFz0
 
残念ながら俺と古泉の間にはどうしようもない溝が生まれてしまったらしい。というか俺が作ったのか。
いきなり殺されかけたわけだし、奴の崇めている神さまを殺してしまったわけだし。
正直、親友と呼んでもいいと思っていた間柄なだけに、本当に残念だ。まあ仕方ないが。

「……それで、どうするんですか」
「ん?」
「あなたが、殺人鬼になった、というのは分かりました。いえ、理解も納得もできませんが分かりました。
 それで、これからどうするんですか」

ああ。そういえばさっきはそれを考えていたんだっけか。

「どうしたもんだろうな。とりあえず殺人犯として出るところに出てしかるべき処罰を受けるべきか?」
一応常識人としての意見を言ってみたのだが。

「それは推奨できない」
「それはやめたほうがいいと思います」

ダブルで否定された。

 

399 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 02:21:36.62 ID:pQHogdkRO
>>389
零崎は笑って、ぼくは笑わなかった。

クビシメロマンチストの自由ウンタラな会話だな

400 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 02:28:02.52 ID:zVjTjVFz0
 
「現在の貴方の行動と精神状態から推測すると、
 貴方が警察その他の治安機関に出向いても、貴方はそこにいる人間を無差別に殺害すると思われる」
「僕も同感です。場所がどこでも、相手が誰でも関係なく、人を見た途端に殺してしまいそうな気がしますね。
 あなたが人がいるところに行くのは、誰にとっても不幸な結果が出そうです」

確かに言われてみればそうだ。
すでに何度長門を殺し損ねているのか分からないし。そこらに長門に届かなかった様々な工具が転がってるし。

「そうは言ってもな。じゃあどうすればいいっていうんだ」
人がいるところは駄目、となれば、山奥で隠居でもするしかないのか。

長門は少し考えるように黙り、

「……私の部屋に来て」

感情の読み取れない瞳で、言った。

 

401 名前: ◆tSOF7NFWbk :2009/05/09(土) 02:28:04.09 ID:o1tTw8YXO
「ですから、あわよくば、あなたと長門さん、どちらにも戻って来て頂きたいものですね」

「……」

「つまり、十分気をつけて置いて欲しい。そういうことです。清水坂でも話しましたが、この、京都を覆う力はとてつもなく強大です。それも一つではない。詳しくは解りませんが、複数の力が働いています」

本が好きな、ちいさな女の子。

「もしかすると、長門さんクラスの方も、その強大な力の中にいらっしゃるかも知れません。ですが。僕は本心から、あなた方に帰ってきて頂きたいと思っていますよ。
それでは、頑張ってきて下さい。涼宮さんの心配はなさらずに。ああ、もう一度言いましょう。僕は、本心から、あなた方二人に、戻って来て頂きたいです」

「……古泉、……それは」

402 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 02:31:50.96 ID:jCcAYc/j0
もうすぐ堕ちるね

403 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 02:32:48.62 ID:j99buVU0O
もうそんな時間か

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