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■ キョン「――――さあ、零崎を始めよう」

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 02:32:58.20 ID:qzqcQ83sO
開いた理由を聞こうじゃないか。

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 04:10:55.35 ID:8EYQWs4wO
>>33
識の字を間違えた
殺されてくる

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 04:27:28.20 ID:ciLMLZJZ0
 だが俺の身体は何故か動き、いつも考えていたように。いや、つねに考えていたように。
 朝倉のナイフを奪い、その返し手で大振りのナイフを、朝倉の喉に突き刺していた。

「それで今に至るわけなんだよな……」と、現状確認の為、下を向いてみる。やはり朝倉は死んでいる。

 足元の朝倉は支えになっていたナイフを抜いたせいで、首が人として向いてはいけない方向に向き、
ちょうど俺を恨みがましく、光彩の無い瞳で俺を見つめている。

「こっち見んな」言ってみたところで聞いてくれるわけもない。
「というよりさ、やっぱりお前が悪い。むしろ俺に殺されるのが悪い」

 俺は無茶苦茶な論理を呟く。というよりそのどうしようもない考えは、何故だか俺は悪くないと思った。

「……いやあ、やっぱり狂ってるな俺」はっきり言って自分の意見にどっ引きだった。

 さて、

「ふむ、俺は悪くないから逃げるかな」まあ、どうにかなるだろ。

 呟きながら、鞄に入っていたビニール袋に血まみれのハンカチを詰め、ポケットに放り込む。
 そして床に流れ出していた血を踏まないように、朝倉に手を合わせ。

「それじゃあな、朝倉。おつかれさん」返事が無い、当たり前だが屍のようだ。

 そうして俺は水飲み場で血を落とすため、丹念に手を洗い、家路についた。

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 04:29:35.01 ID:DreYoSXCO
クビサシロマンチスト

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 04:55:48.28 ID:nY31oEuOO


38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 05:19:35.49 ID:1H5FYRL90
支援

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 05:22:44.33 ID:bqk9vy5LO
戯言ネタなんてめったにみない

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 05:25:23.83 ID:ciLMLZJZ0
 駅までの道のりは酷く遠かった。いや、もしかしたら遠いと感じただけかもしれんが。
 それでも通りすがりの人を見て、特に何も考えず、「ああ、殺せそうだな」と思ってしまったのは少々ビビった。
 なにしろすれ違う人や通りすがる人を、殺したくて殺したくて殺したくて殺したくて堪らなかった。
 だが俺は一般常識に溢れる人殺しなので、しっかりと我慢した。
 ……実際のところマジで辛かった。が先の件のように、襲われてもいないのに人を殺しちゃダメだろ。多分……だけど。
 そこに自信が持てないのはどうかと思うが、とりあえず今のところは踏みとどまれそうな気がする。

「しかしな、一体どんな状況だこりゃ。少年漫画みたいに殺人鬼に覚醒ってか」

 適当にごまかしてみても、笑えない。これから家に帰り、家族を見て、もしも殺したいと思ってしまったら、俺は我慢出来るのだろうか。
 多分――できない。
 想像するだけで……殺したい。父親を殺したい。母親を殺したい。妹を殺したい。
 たとえ今、この駅で、電車で、町で、百人、二百人殺したところで、きっとこの殺意は消えないだろう。何故だか分からないがその確信はある。

「さすがに……家族はやばいよな」かといって朝倉を殺したのはやばくない訳ではない。見回りの職務怠慢とかで見つからなければいいのだが。
「しかし誰かに相談、ってもな」俺は携帯を開きながら呟いた。

 ハルヒは、駄目だ。殺したい。朝日奈さんは……殺したくなるだろうしな。古泉は駄目だ、ついついノリで殺してしまうかもしれん。
 谷口も駄目だ。まず確実に殺してしまう。国木田……は言葉で丸めこまれてしまうので避けたい。
 もう宇宙人の耐久力に期待するしかないよな。俺は携帯を操作し、長門の番号に連絡。ワンコールも待たないうちに、電話は取られた。

「あー、長門か?」

「……そう」普段と変わらない声音に少し安心。だがこいつは俺の次の言葉を聞いたらどう思うのだろうか。

「あのさ、言いにくいんだけどな。俺さ、人を殺しちまったんだ」

そして>>18はとてつもなく眠いらしい

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 05:26:22.26 ID:DreYoSXCO
続くかな

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 05:33:25.17 ID:8EYQWs4wO
面白いから続いて欲しい
ほしゅ

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 05:55:44.64 ID:T+qJYx3AO
俺は笑って、長門は笑わなかった

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 06:10:58.42 ID:/TfYJZ840
戯言は存在は知ってるけど、読んだ事無いなぁ
wikipediaで設定とか登場人物見ての印象は、「極まった厨二病」って感じだww

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 06:15:38.65 ID:X60apEV+O
>>44悔しいがその通り

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 06:56:25.95 ID:ciLMLZJZ0
 俺の罪の告白に(ぶっちゃけ罪だとは思えていないのだが)長門は平坦な響きの声で。

『知っている。あなたは朝倉涼子を殺害した』と、衝撃の事実を告げた。

「何故知っている?」

『見てた』即答だった。

「……マジすか?」

 誰もいなかった気がするが、朝倉涼子を殺したのは俺だってことを知る術は……よく考えなくても結構あるな。そのまま放置だし。

『マジ。……というより――』長門はそこで声を区切り「――今あなたの後ろにいる」と後ろから聞こえた。

 瞬間、後ろに気配。俺は鞄の中からナイフを取り出し、振り向かずに声のした方向に振り切る。
 その動きは、俺が今現在出来得る限りの最速、あくまで自画自賛だが必殺の、理想の一撃だった。
 しかし刃物を振るった腕は、何か固い壁に当たったかのように停止した。
 振り返ると、長門は首筋を狙った刃物を両腕の半ば辺りで防御していた。
 俺はあわてて肉にめり込んでいたナイフを引き抜き、両の掌を合わせ謝罪する。

「すまん、申し訳ない。ついつい殺してしまいそうになった」冗談のような本当。

「問題ない。気にしないでいい」と、あくまで冷静な長門だった。

 ……気にするよこれは。
 観察してみると、長門の腕はだらりと垂れ下がり、カーディガンの裾から赤い血液を流していた。
 斬りつけた部分は薄い線が走っており、そこからぱっくりと開いた傷口から肉が見えていた。
 そして、赤い肉とは別の物、元々は白かったであろう血液などで黄色く見える骨も覗いている。
 しかしこれぐらいの肉と骨程度なら両断出来そうな感じなんだけどな。うむ、不思議だ。

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 06:59:36.97 ID:/rP+6blR0
>>44
中2の時に見てたからなんとも思わなかったが
ウィキ見たらうわわ〜みたいなww

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 07:02:21.82 ID:1cDSUrGB0
戯言はクビシメロマンチストだけ


49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 07:05:38.22 ID:KgXP2yPrO
ジャンプにまで連載とか日本終わっとる

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 07:20:57.88 ID:0tTis/kwO
誰かいーちゃん×雛見沢のまとめとか知らない?

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 07:34:34.64 ID:aMTqij2tP
>>33
虚無式
と書くといーちゃんチック

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 07:38:18.11 ID:cui2rLbqO
>>50
今パー速にスレがある

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 07:51:28.25 ID:0tTis/kwO
>>52
まだ続行中なのかw

d

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 08:03:35.73 ID:tacQ/86tO
>>44
やることいちいち中2なのになんか面白いんだよ。
つうか元々文章力ある奴が軽いノリで書くからあなどれん

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 08:34:50.44 ID:qzqcQ83sO


56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 08:38:12.04 ID:eLlFsxVP0
>>15
ってか戯言終了後に出た本はビミョーなのが多い…
人間シリーズは双識だけ好き

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 08:58:19.21 ID:qzqcQ83sO
続きはまだかね?

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 09:00:34.92 ID:QMrDubwcO
最初読んだとき作者はマジ基地だと思った

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 09:01:34.99 ID:f/yMp4/YO
西尾様々

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 09:06:03.53 ID:ES/FmG9SO
新作マダー?

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 09:27:19.67 ID:qzqcQ83sO


62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 09:46:00.78 ID:DreYoSXCO
ほしゅる

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 10:40:13.79 ID:qzqcQ83sO


64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 10:49:08.46 ID:qzqcQ83sO


65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 10:49:45.22 ID:y+KyvUn7O


66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 10:51:10.71 ID:Ke6ZzLNfO
崩子はもらっていきますね

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 10:54:34.99 ID:qzqcQ83sO
>>66
黙ってジグザグにされてろ。

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 10:57:49.47 ID:D7fuKNDjO
西尾スレは貴重
零崎スレはもっと貴重
俺のワクワク返せ

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 11:05:14.27 ID:D7fuKNDjO
>>68>>1にって事で

>>18に期待

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 11:26:20.27 ID:cY//xLmBO
買おうと思ってるけど、これって話繋がってるのか?

71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 11:37:50.37 ID:mPAUZnN4O
支援

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 11:40:10.74 ID:F83BKlUg0
起きたら誰かSSを書いているであろうことをこの私はあらかじめ予測していました

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 11:48:09.77 ID:mPAUZnN4O


74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 11:54:40.71 ID:qzqcQ83sO


75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 12:03:01.67 ID:mPAUZnN4O


76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 12:17:27.69 ID:qzqcQ83sO


77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 12:59:20.15 ID:dUeLMFzLO


78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 13:00:47.57 ID:qYiC7vYoO


79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 13:57:51.43 ID:qzqcQ83sO


80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 14:16:21.63 ID:qzqcQ83sO


81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 14:58:22.79 ID:WM9J5BQ1O


82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 15:00:03.45 ID:icyB8ymyO
厨二展開を期待して

83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 15:01:05.25 ID:88EDUivWO
僕様ちゃんは西尾厨だからだよ

84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 15:01:24.60 ID:M+E7ZO6s0
>>73-80
傑作だぜ

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 15:24:32.15 ID:qzqcQ83sO
.

86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 15:43:42.63 ID:qzqcQ83sO


87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 15:51:02.06 ID:qzqcQ83sO


88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 16:10:52.56 ID:pMXtdJKWO


89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 16:11:49.64 ID:evWRgob7O


90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 16:12:21.08 ID:Habbd38SO


91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 16:20:51.34 ID:BrZR6Hx70
続くことを信じてるぜ

92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 16:38:41.26 ID:TP2MQToqO
>>1
人間シリーズ大好きなので

93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 16:51:27.64 ID:AqMbPbG5O


94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 16:54:44.66 ID:sH8TGz9R0


95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 17:07:10.19 ID:0l0qadvWO


96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 17:08:33.66 ID:k1MqKKreO


97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 17:13:50.42 ID:gpDTUpsRO
私の妹にならないか?

98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 17:32:48.83 ID:hgG8gsVMO


99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 17:33:50.55 ID:mk8HUDIY0


100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 17:36:38.76 ID:k1MqKKreO


101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 17:48:13.92 ID:k1MqKKreO


102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 18:23:00.77 ID:k1MqKKreO


103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 18:35:05.25 ID:k1MqKKreO


104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 18:43:31.14 ID:k1MqKKreO


105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 18:52:16.80 ID:k1MqKKreO


106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 18:53:58.92 ID:VmnOwbyTO


107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 18:54:12.20 ID:vpbtNPz5O
最後クナギサがアルツハイマーみたいに
ヨダレ垂らして焦点の合ってない目で
糞を垂れ流すと思ったのに

108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 18:58:57.07 ID:Ldty8j8KO


109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 19:04:27.18 ID:I/IPMPp50


110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 19:06:57.94 ID:be4D5+8r0


111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 19:08:07.29 ID:VmnOwbyTO


112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 19:17:31.78 ID:xQmVMdEQ0
「……あのさ、俺が言うのも変な話だが、病院に行った方がいいんじゃないか?」

 とりあえず失血死でもされたら後味が悪いので心配しておく。自分のろくでなさに胸が痛むような気もするが無視。
 だが俺の心配をよそに、長門は眉一つ動かさずに余裕の表情で、自分の傷痕を眺め。

「問題ない」と言い、続けて何か呪文的なものを早口で呟いた。

 その刹那、長門の腕が歪み、幾何学模様のような輝きに包まれる。
 次に目をやった瞬間、腕や服は何事も無かったかのように元通りになっていた。
 裾から地面に垂れた血液も跡形もなく消えている。もう魔法としか思えない。

「すげえ、本当に宇宙人だったんだな」俺の茫然とした呟きを聞いた長門は。

「そう」と、そっけなく返した。宇宙人じゃなかったらどうなっていたのかは考えない。

 ちなみに無表情の中に、微妙に誇らしげな感情が見えるのは俺の気の所為なんだろうね、きっと。
 そうして宇宙人の存在を確信した俺は長門に問うてみた。それも宇宙人だったら何でも知ってるだろ、という安直な考えで。

「ところで長門、お前は俺が朝倉を殺すのを見てたんだよな? あれは一応俺の所為じゃないよな?」


おはよう。残っててびっくりした

113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 19:19:37.92 ID:1ZBsY4v90
きたあああああああああああああああああああああああ

114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 19:19:55.65 ID:QeaiFQYA0
おかえり

115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 19:21:06.10 ID:mk8HUDIY0
おかえりんこ

116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 19:32:28.34 ID:VmnOwbyTO
おかえり

117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 19:56:52.02 ID:i57g2uSpO
おかえり!

講座が終わった後の楽しみのために頑張ってくれ

118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 19:59:44.06 ID:xQmVMdEQ0
「前者の質問は見ていた。そして後者はあなたの所為じゃない……あれは単純に朝倉涼子の能力が足りなかったから殺されただけ」
「この場合、悪いのは、殺された朝倉涼子」そう、断言した。

 善悪の概念なんぞ俺には分からんが、とりあえず自首した際の証人は得たことになる。
 最悪は免れたとでもいおうか、捕まった場合は情状酌量の余地はあるだろう。
 長門は俺の思考を察したのか。

「あなたは罪に問われることは無い。朝倉涼子の死体はわたしが処理しておいた」

「それはそれは……何から何までお世話になりまして」

 適当に納得しておく。
 真偽のほどはよく分からんが、長門は俺を通報する気はないようだった。
 しかしな……どうにも都合が良すぎる。なんか騙されてるような気さえする。しかし俺にはどうにも出来ないんですよね。
 俺は疑問を振り払うように頭をふり、適当に話を振った。

「……ていうかさ、お前が宇宙人だってことは、古泉や朝日奈さんが俺に言っていたことは本当なのか? ほれ、未来人とか超能力者とかって」

「そう」

「……それじゃあ、ハルヒが神だとか、進化の可能性だとか、願望を叶えるとかも本当なのか?」

「そう」簡潔だった。

119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 20:14:18.91 ID:VLA2y5Oz0
ああそうか、キョンの理解度合いはこの段階なんだ

wktk

120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 20:32:33.17 ID:FilZGEdv0
wktk

121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 20:45:23.46 ID:xQmVMdEQ0
 ふうん。俺は聞こえないように嘆息を吐いた。どうせ長門には宇宙の神秘で聞こえてるんだろうがな。
 それじゃあ、本題といきますか。俺は長門に視線を合わせ問う。
 何の感情も浮かべていない瞳は、俺を責めるように射抜く。そう感じるのは俺の罪悪感なのだろうか。

「俺はどうして朝倉を殺してしまったんだ――いや、俺はどうしてこんなに人を殺したくなるんだ?」

 けれど俺自身、こんな事を聞いていながら違和感を全くといっていいほど感じない。
 まるでパズルのピースがはまるように、元々俺の心がこの形だったんじゃないかというほどに。
 単純に――異常が正常に感じた。
 たとえば、朝倉の腕からナイフを取り上げた時、それが当たり前だと思った。
 それが呼吸をするように。飯を食べるように。さも当然の事だと俺は理解していた。
 たとえば、そのナイフを返し驚愕する朝倉に向けた時、年甲斐もなくわくわくした。
 ジュブナイルとかを読む中学生が次のページに期待を持ち、捲り上げる瞬間のような、そんな期待感。
 たとえば、首筋に刃を突き立てる瞬間。酷く酷く興奮した。
 それを、その行為を、俺の脳は正常だと認識した。無論それが常識だとは思わないが……そこが中途半端なとこなんだよな。

「……」

 長門は俺の問いに答えない。
 それはいつか見た表情だった。困ったような躊躇しているような、そんな表情。
 そうして数瞬の間、長門は口を開いた。

「わからない。わたしに、それは解らない」意味のわからない言い回し。

 けれど、それ以上問い詰めることは、俺にはできなかった。

122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 20:46:43.96 ID:VLA2y5Oz0
いいね。文章が綺麗だ紫煙

123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 21:10:07.06 ID:VLA2y5Oz0
私怨


124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 21:12:21.95 ID:BMy9KWwLO
期待するよ

125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 21:14:36.25 ID:xQmVMdEQ0
 〜〜〜〜

 その後、長門は小さく「ついてきて」と呟き、俺たちは電車に乗った。長門のマンションに向かっているようだった。
 それから俺たちの間に、会話は何もなかった。
 俺には会話を振る余裕がないし、長門には会話をする機能がない。……失礼、言い過ぎた。
 駅から出て、しばらく歩きだす。するといつぞやの公園が見えてきた。
 別に感慨深い訳でもないが、あの頃は人なんて殺そうと思ってなかったよな、などなど割とどうでもいい事を追憶してみた。
 そのうち、俺たちの歩みは止まった。俺は目の前の微妙にゴージャスなマンションを見上げる。

「入って」長門は一瞬俺に振り返り、それだけ言う。そしてまた振り返り、マンションの中に入っていった。

 俺はそれについて歩き、長門の部屋に向かった。
 そうして玄関に入り居間に通される。しかしな……いくら宇宙人といえどももうちょっと警戒しようぜ。
 人殺しをほいほい家に上がりこませるってのは少々感心できないよな。
 ……しかしその人殺しが俺だというのが少々別の意味で哀しくもある。
 室内は前回と同じく、こざっぱりとした印象。というか何もない。居間に通された俺は、中央に置かれたコタツに座った。

「待ってて」そう言い残し、台所に引っ込む長門。

 ああ、やっぱり殺してえな。ふと長門の後ろ姿を見てそう思った。意味などなくとも、そう思った。

126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 21:19:42.05 ID:VLA2y5Oz0
wktk

127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 21:44:07.45 ID:xQmVMdEQ0
 頼み込んだら殺させてくれねえかな……くれないよなぁ。しかしよく我慢出来てるよな俺。
 実は俺って結構我慢強いんだな、偉い偉い。……くだらねえし笑えねえ。
 俺はひっそりと溜息を吐いた。
 そうこうしているうちに、長門は台所からお盆に急須と湯呑を持って戻り、俺の向かいに座った。

「お茶」見たらわかる。

 長門は俺の前に湯呑を差し出す。俺がそれを手に取ると、何を言うでもなくお茶を注がれた。

「飲んで」お茶を啜り、渇きを癒す。嫌な字面だった。

 それから沈黙。
 話が進みそうにないので適当に話をしてみる。

「なあ、今の俺とさ……その、なんだ昨日までの俺って何か違うか?」

 これは他人から見てどうなのだろう。何となく疑問に思う。
 俺自体は昨日から――今日の夕方から見て、一点を除き変わっていないつもりだが。

「あなたは、何も変わっていない」そう静かに言い、未だに見たことのない表情で俺を見つめた。

 俺にはその表情を表すことは出来なかった。それを見たことが無いからじゃなく、複雑に混じり合っているように感じた。
 絵具のパレットの最後のように、混ざり、交ざり、雑ざり、元の色を想像できないほどに混ざっていた。
 そうして、ゆっくりと口を開く。

「あなたは殺人鬼になった。ただそれだけ」そう、俺に告げた。

128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 21:52:17.32 ID:i57g2uSpO
進んでることに感謝しつつ支援

129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 21:55:25.19 ID:p71DXNjn0
傑作だぜ
支援

130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 22:00:20.08 ID:VmnOwbyTO
戯言だけどね

131 名前:きびなご ◆ixr4/nDQQ. :2009/05/07(木) 22:02:51.20 ID:UOX+jbf7O BE:1547395586-PLT(13850)
sssp://img.2ch.net/ico/gomiopen1.gif
こんなスレが立つのではないかと私はあらかじめ予測していました支援

132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 22:11:44.38 ID:xQmVMdEQ0
「ふうん」俺は自分を表す正確な表現、といっても殺したのは朝倉だけなのでまだ大げさだな。
「たとえばさそれになった理由ってあるのか?」期待はせずに、そう問うた。

「わからない」予想通りの回答だった。

 分かる気もするが、分からなくもある。言葉遊びでも何でもない事実だった。

「俺はこれからも人の形をした物を見るたびに、殺したくなるのかな……」だれに言うでもなく、まるで当てつけのように呟く。
「あーあ。やっぱり一人殺した段階で終わりだったのかね……」

 ああ、今思い出した。そういえば――

「朝倉ってどんな奴だったんだ?」

「……わからない。ただ――」今度ははっきりとした表情だった。
「わたしに優しくしてくれた。わたしに気を使ってくれた。……わからない。けれど、わたしを好いていてくれたと思う」

 聞かなけりゃよかった。本当にそう思った。
 だから俺は問う。正直なところどうでもよかった。その結果がどうなったとしても。

「お前は俺を殺そうとしないのか?」

 長門は答えない。じっと、黙って俺を見つめる。

133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 22:23:58.85 ID:jDI4Z14JO
悪くない。全くもって、悪くない。
支援

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