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■ キョン「――――さあ、零崎を始めよう」

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 02:34:12.96 ID:p/yrERrLO
たてた

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 02:35:52.98 ID:p/yrERrLO
まえすれ
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1241631178/

3 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 02:38:15.25 ID:zVjTjVFz0
 
「……いいのか?」
行く宛がないとはいえ、つい人を殺してしまうような危険人物を家に招くのはどうかと思う。まあ、長門は殺せないわけだが。
「問題ない。貴方を隠匿できる程度の施設的余裕はある」
そういう問題か?

俺がどうしたものかと考え込んでいるときに。
「いいんですか、長門さん」
古泉が、深刻な声で、長門に問うた。

 

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 02:39:39.21 ID:pQHogdkRO
二十人目の地獄はこうして街一つ壊滅させたわけか

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 02:41:12.32 ID:cVnGlMmKO
読み途中で落ちた

6 名前: ◆tSOF7NFWbk :2009/05/09(土) 02:47:38.62 ID:o1tTw8YXO
 ――――――それは

「それは、無理になった」

彼は、膝から下が無くなったかのような感覚に教われ、血だまりに、べちゃり、と、飛び込んだ。

「――――長門」

ぎりぎり残った理性で、血の海を泳ぎ、少女の頭を

長門有希を抱きしめた。

7 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 02:50:20.75 ID:zVjTjVFz0
 
その問いに含まれているものは俺の問いのように軽いものではなかった。
もっと深い。もっと大きなこと。

「……いい、とは、何が。古泉一樹」
「彼は、涼宮さんを殺した」
その一言が、その一事が、全てではない。
もっと重いことを、古泉は問う。

「彼は、すでに殺人鬼。
 何が彼をそうさせたのか分かりませんが、……あるいは涼宮さんの願望でもあったのかもしれませんが。
 とにかく、彼は人の枠から外れています。
 その彼をあなたが助けることがいいことなのかと、聞いているんです」

「……………」
長門は、答えない。
古泉は、声を向ける相手を長門から俺に移す。

「僕から、あなたに言うべきことを言います」

古泉の声は重い。
ああ、分かっている。
こいつだって、こんなことを言いたいわけがない。
けれどそれでも。
こいつにとって。
俺は。

「親友として、あなたに言います。
 ………あなたはきっと、死を選んだ方がいい」
 

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 02:54:32.05 ID:p/yrERrLO
>>5
ほれ
ttp://sea-mew.jp/nox/modules/webarc/2ch/ss/1241631178-0.html

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 02:55:36.07 ID:CiLHmshNO
支援する

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 03:01:04.33 ID:pQHogdkRO
古泉が妙に格好よく見える

11 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 03:02:11.87 ID:zVjTjVFz0
 

学校からの帰途。
長門の配慮か、誰ともすれ違うこともなく、長門のマンションに向かう。
日は低い。町は赤く濡れている。

長門が、静かに言う。
「どうするか選ぶのは、貴方」

いつも通りに歩きながら、答える。
「……分からん。どうすれば、いいんだろうな」



親友の忠告を胸に刻んで。
隣に寄り添う伴侶に守られながら。

今はただ、歩く。


 

12 名前: ◆tSOF7NFWbk :2009/05/09(土) 03:05:16.43 ID:o1tTw8YXO
「長門……」

いつか、涼宮ハルヒが消えた時、長門有希はやり直そうとしたときがあった。
彼ともう一度思い出を作り、普通の人間として暮らそうとした。
 だが、彼はそれを許さなかった。長門有希は彼にとって、SOS団の長門有希だったからだ。そして、処分される筈だった彼女を彼は救い。彼女は彼にありがとうと言った。

「長門……」

長門有希は人間では無かった。機械のように冷たく、ただのロボットのような。無機質な感情。
それでも、彼女は人間でありたかったのかも知れない。
彼女は人間では無く、宇宙人であり、ロボットであり、幽霊のようでもある。それでも

「ながと……」

「それでも俺は、お前は人間だと思ってるよ」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 03:08:08.02 ID:itgStgZpO
発見した

前スレは二日落ちか

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 03:12:10.23 ID:p/yrERrLO
支援支援

15 名前: ◆tSOF7NFWbk :2009/05/09(土) 03:16:27.12 ID:o1tTw8YXO
彼は思う。こいつにはこれから先、どんな未来があったのだろうと。
彼女なりに頑張って、感情を手に入れることが出来たかも知れない。そして、笑い、泣き、怒り、喜ぶことが出来たかも知れない。そして、誰かを好きなって、誰かと幸せになったかも知れない。


そんな思いはすべて、今日、ここで終わってしまった

「――――なんで……長門、なんで……」

すべて空っぽになった気がした。
もうすべて無くなった気がする。
もう何もこわくないようなきがする。だから。

だから。誰でも殺してしまえそうな気がする。



そして、彼は自分を取り囲む人々を見た。

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 03:16:36.33 ID:pQHogdkRO
死援

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 03:22:05.70 ID:p/yrERrLO
なぜころたし

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 03:25:21.08 ID:o1tTw8YXO
十人ほどの人々に彼は囲まれた。いや、囲まれたのではなく。最初からそこにいた気がする。

男性もいれば女性もいる。子供もいれば老人もいる。
人々に共通することは、それは全身至る所にある血のあとだった。

長門の、血。

彼はそんな気がした。長門はこいつらにやられたのだと、そう思った。
長門は、色んな所が無かった。
腕の一部、髪の毛、指、服、足。

彼はただ人々に

それを返してもらおう

そう思った。

………

……

19 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 03:26:43.47 ID:zVjTjVFz0
 
とりあえず、長門のマンションで暮らすことになった。
家には戻れず(戻れば間違いなく家族を殺すだろう)、
人のいる場所にも出られず(人に会えば間違いなく殺すだろう)、
避難場所に逃げ込んだ形だ。

だが、それで何か解決したわけでもない。


「……で、だ。結局これはなんなんだろうな」
長門が淹れてくれたお茶をすすりながら呟く。
普通に生活していたら、いきなり殺人鬼になる。
意味が分からない。
頭がおかしくなったというならまだ分かるが、長門からみてもそうではないらしいし。
長門曰く、俺は「常識的な人間でありながら殺人鬼」であるらしい。

「私にも、分からない」
長門が台所から鍋を持って出てくる。
部屋に充満したカレーの匂いといい、長門の両手の手袋(ミトン、だったか)の可愛さといい、緊迫感皆無だ。
「けれど、類似する症例がないわけではない」

「……症例?」
これは病気なのか? まあ、病気といえば病気なのかもしれないが。
「そう」
鍋の蓋をあけながら、長門は答える。
「D.L.L.Rシンドローム。別称、『殺傷症候群』」

 

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 03:30:54.07 ID:p/yrERrLO
あれかイリアさんか

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 03:31:23.75 ID:pQHogdkRO
自動症のハイエンドktkr

22 名前: ◆tSOF7NFWbk :2009/05/09(土) 03:37:04.51 ID:o1tTw8YXO
気が付けば彼は死体のサークルの中心にいた。

真ん中のスポットライトを浴びた死体の隣に彼は寝転んで考えていた。
何故、長門が殺されたのか。
長門を襲った人々は、長門の失った所を持っていた。

正確には、食べていたので、返してもらうのに苦労した。

この人々は、元から死んでいた。頭を潰しても動くので、面倒になり。足をちぎって捨てた。死体だったせいだろうか、簡単にちぎれた。

だからこそ、腑に落ちない。

長門がこんな連中にやられたりするだろうか。長門はいうなれば超人と言っていい者なのだ。そんな彼女が、こんな連中にここまでやられるのはどう考えてもおかしい。もしかすると、他に誰かが―――


「何だか傑作な景色になってんな、ここは」

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 03:42:05.83 ID:p/yrERrLO
キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 03:42:48.79 ID:pQHogdkRO
人間失格きた

25 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 03:48:39.51 ID:zVjTjVFz0
 

D.L.L.Rシンドローム。

悪意や害意はなく、理由や理屈はなく。
ただなんとなく、あるいは当然のこととして、他者を傷付けあるいは殺してしまう精神病。
症例はほとんどなく、また精神病の性質としてその症状の虚実も判別がつけられないため、実在すら疑われる病気。


「……犯罪者の格好の言い訳だな」
「言い訳にはならない。この病状を理由に罪が軽減された判例は存在しない」
「根本的な疑問なんだが、その病気は実在するのか」
「実在する。何の理由もなく、他者を殺傷する性質の人間は確かに存在する。それをこの症候群の症例と見ている」
長門がそう言うのならば確かに実在するのだろう。

「なんだ。つまり俺はその病気なんだな」
簡単なことだ。俺はウイルスか何かにかかったのだ。
だが、長門は首を振った。
「それは、分からない」

 

26 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 03:50:23.49 ID:zVjTjVFz0
あれ?
D.L.L.Rシンドロームの設定ってこんなんだったっけ?
書いてから手元に原作がないことに気が付いた

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 03:52:51.19 ID:RTe2kTVK0
いーたん「支援」

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 03:54:15.46 ID:j99buVU0O
>>26
その設定であってると思う

29 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 03:54:36.84 ID:zVjTjVFz0
ああ、いいや。
症候群って似たような病状の通称だもんな。細かいことはいいわな。

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 03:55:58.26 ID:pQHogdkRO
辺り構わずとにかく殺してしまいたくなる神経症の一種

ぐらいしか設定はないからキニスンナ
ちなみに零崎一賊が該当するかは不明。

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 04:02:36.24 ID:o1tTw8YXO
瞬時に跳び起きる。
そして、声の元に向かって最短距離で走―――――
「落ち着けよ。そんなぼろぼろな身体で俺と殺り合うなんざ、百年遅い」

身体が、動かない。
何か、身体中を覆っている。何か巻き付いている。
「一仕事やろうと思って来てみりゃすげえことになってっからびっくりしたぜ。あんたがやったのかい」

短パンにTシャツ、サバイバルジャケット、何より一番目立つのは顔面にまがまがしく存在する入れ墨。
「俺の名は零崎人識、あんた、名前は……ああ、いいや、名前を聞くとろくなことがないからな、それに」
零崎人識は

「あんたもう零崎に成ってるみたいだしな」

そう言って、彼の元に近づいた。

32 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 04:03:45.06 ID:zVjTjVFz0
 

「分からない? どういうことだ」
「『症候群』という概念は、類似の症例が見られる、原因不明の病状をまとめて呼称をつけたもの」

ああ、つまりこういうことか。
『そういう感じの危険人物が何人かいるからそれを症例とはしたけど、病気かどうかはよく分かっていない』と。
ん? いや待て。
人間にならともかく、長門や長門の親玉になら分からないことはそうないんじゃないのか。
これが病気かどうかぐらいは分かるんじゃないのか?

「分からない。病気というものは、原因が存在するもの。
 この症候群の症例には原因が見られない。その悉くが原因もなく他者を殺傷する。理解不能」
宇宙人ですらさじを投げるような意味不明っぷりか。

まあとにかく、長門にも今の俺がどうしてこうなっているか、そしてどうすればいいのかはわからないのか。

 

33 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 04:06:09.89 ID:zVjTjVFz0
 

詰まった。
完璧に詰まった。
どうすればいいのかが完璧に分からん。

とりあえず長門手製のカレーを食う。

「おいしい?」
「ああ」
「そう」

平和だ。


いや、駄目だろこの平和。

 

34 名前: ◆tSOF7NFWbk :2009/05/09(土) 04:18:20.53 ID:o1tTw8YXO
「呪い名?」

「ああ、数ある殺し名の対なる存在。名前の通り呪いを扱うエキスパートだ。アンタんとこの宇宙人さんがどこぞの究極生命体だったとしても、下手すりゃ負けちまうかもな。」

「そんなものなのか?」

「そりゃそうさ、アンタがどんな感覚で強さってもんを知ってるかは知らないが。相性が悪けりゃ綺麗に敗北するぜ」

「ふん……」

あのあと。
彼と零崎人識は、円になった死体から財布を抜きとり、人識が血まみれだった彼の服を買い、今はとあるカラオケボックスに入って話しをしている。

35 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 04:18:51.16 ID:zVjTjVFz0
 

「このままってのはさすがにいかんと思うんだが」
長門の部屋に引きこもっているのもな。
どうも十数分に一回は長門を殺し損ねているので、部屋が荒れてきている。
いや、最初は数秒に一回は殺し損ねていたことを考えると、自制が利いてきているのだろうか。

「……………」
長門は少し考えるように沈黙する。
ついスプーンを眼球に突き立てかけたが、長門の掌に止められる。む。すまん長門。ちょっと手にカレー付いちゃったな。

長門は手に付いたカレーを舐めとったあと、
「打開策は、思いつかない」

予想はできていたがやはり落胆してしまう。
どうしたものか。どうしようもないのか。………俺はやはり死んだほうが、

俺の思考を止めるように。
「……どうすればいいかは、分からないけれど」
長門は、行動指針を示す。
「他の症例者を見てみるというのは、どう」

 
 

36 名前: ◆tSOF7NFWbk :2009/05/09(土) 04:20:15.14 ID:o1tTw8YXO
眠い

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 04:39:49.05 ID:pQHogdkRO
>>36
無理せず寝て完結をめざしてもらえると幸い


38 名前: ◆tSOF7NFWbk :2009/05/09(土) 04:45:35.36 ID:o1tTw8YXO
>>37
よし、寝る

39 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 04:48:20.26 ID:zVjTjVFz0
 
かくして。

長門に導かれ、とある街に来たのだが。



「おー、すげーな姉ちゃん。オイラの前で5秒以上生きてる奴なんて花火屋のジジイ以外じゃ初めてだ」


ああ、どうやら俺はまさにこの症候群だったらしい。
ああ間違いない。お互いに視界に入る距離になった瞬間に長門の周囲に爆炎が上がりやがった。
俺が古泉を見た瞬間に短刀を投げたのと同じ現象だろうな。
そしてなんだろうなこの親近感。
このガキの生意気な空気といい長門いきなり殺そうとしたことといい絶対に俺の好きなやつではないはずなのに、
やけにこいつのことが理解できやがる。
 

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 04:49:46.83 ID:pQHogdkRO
>>38
いーちゃん乙

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 04:50:42.24 ID:pQHogdkRO
>>39
ペリルポイントか

42 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 04:51:20.40 ID:zVjTjVFz0

「お? なんだ兄ちゃんも死んでねえじゃん。兄ちゃんもすげえな!」
俺は長門に守ってもらっただけだがな。

「で、だ。いきなり殺そうとしたことは置いておくとしよう。君がえーと、肆屍…」
「おーっと兄ちゃん! オイラはそんなカッコ悪い名前じゃねーよ!オイラは火炎の戦士、炎の王、」
なんか特撮かアニメの噛ませキャラの登場シーンっぽいな。
「無粋な突っ込みいれんじゃねー!」
いやすまん。
「まったく、空気読めっての。もっかい行くぞ? 今度はちゃんとやれよ?」
はいはい。

「よし!
 オイラの名前は肆屍なんつーカッコ悪い名前じゃねえ!
 オイラは火炎の戦士、炎の王、そして爆熱の殺人鬼!

 <寸鉄殺人(ベリルポイント)>様だあああああああ!!!!!」
 





「その名前(と二つ名)はカッコイイのか?」
「うるせええええええええええ!!!!!!!!!」
 

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 04:51:44.65 ID:cauHqn24O
キョン「出でよ、コァンヤァ!」

44 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 04:54:05.42 ID:zVjTjVFz0
ペとベを間違えたけど眠いから俺は寝るぜ

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 04:55:23.32 ID:Bkh/SjoKO
ペリルポインヨって誰だっけ?

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 04:57:27.11 ID:pQHogdkRO
>>44

先んじてすまんかった

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 04:58:52.10 ID:pQHogdkRO
>>45
爆弾魔


48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 04:59:36.69 ID:j99buVU0O
人間人間までしか読んでないんだか
ペリルポイントって人間関係で出てきたの?

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 05:01:50.40 ID:Ud5yTT5kO
人間人間まではペリルポイントって詳細不明だった希ガス
なんにせよ支援

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 05:07:15.89 ID:pQHogdkRO
メフィストも読もうぜ!



ちなみに裏切同盟やら呪い名やらも既刊で詳細が判明
死吹怖いよ死吹

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 05:10:59.50 ID:j99buVU0O
>>50
そうなのか、ありがとう

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 05:12:59.04 ID:Bkh/SjoKO
今人間ノックを読んでる訳だが

ペリルポイントってどっかで名前だけ出てなかったか?
つうか二つ名大杉ワロエナイ

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 05:21:35.99 ID:pQHogdkRO
>>52
戯言シリーズでもちょいと名前だけ出てる。
二つ名の厨二臭と言葉遊びがたまらなくないかね?

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 05:40:04.57 ID:itgStgZpO
前スレ>>366


「え〜っと? 大将? これ、え? これが獲物な訳?
 これで人を殺す場面が想像できないんだけど?
 武器に殺される勢いなんだけど、マジで言ってるんですかい?」

 零崎軋識、愚神礼賛、シームレスバイアスなので双識の兄さんとか
一族のなかでも親しい人間には通称アスと呼ばれてたり。
してるらしいが、ちょっと待ってくれ。鉛? これ全部が鉛?

「…頭の5cm上から落とされただけで死にそうだ」

 麦藁帽子に汚れたタオルを首にかけて、
田舎の軽トラにスイカとかを乗せて畑耕してそうな大将。
兄さんのあの狂気蠢く鋏に続いて身近な物を極限まで凶悪化させてるシリーズだ。

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 05:40:13.23 ID:Bkh/SjoKO
>>53
嫌いだったら戯言シリーズ集めてないっていうwww
早く文庫サイズで出してください><

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 05:41:04.88 ID:itgStgZpO
>>55

でてるだろ

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 05:42:01.47 ID:itgStgZpO
>>54


 対する俺はというと別になにがあるわけじゃない。
ただただ双識の兄さんに連れてこられた、というかついてきたのか。
俺は一人しか殺してない、殺人鬼未満の存在だ。
当然愛用の殺戮道具なんて常備しては居ないのだが、

 ふぅん…、零崎ってのはこんなのの集まりなのか。
話は道中双識の兄さんに聞いてはいたが、
俺もやっぱりなにかしら特出した武器を創作するべきなのかね?

「ほら緯識、それはアスに返してあげなさい。アスはそのバットにお熱だからね、
 五分以上手元を離れてると暴れる程なんだ。気持ち悪い変態だろ?」
「おめぇに言われてくないっちゃ…。大体変な嘘を吹聴すんなレン、
 新しい家族に変態扱いされるのを良しと出来るほど俺は心が広くないっちゃ」
「そうかい? 私はいくら変態と呼ばれても構わないよ、むしろ歓迎だね。
 そういった、一見罵詈雑言ともとれる言葉を交わすことでより親密度が増す」
「変態っちゃな」
「変態ですね」

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 05:43:09.60 ID:itgStgZpO
>>57


―――

 零崎緯識。
姓は零崎、名は緯識。
それは俺という個の名前となった。
殺人鬼としての新しい俺の、名前。
家族、という言い方にまだ若干の違和感はある物の
とにかく零崎一族からの呼ばれ方は相変わらずのキョンだったりする。

 久方ぶりにまともに名で呼んでもらえると思ったのだが、
悲しいかな双識の兄さんはキョンを一日で家族全員に浸透させることに成功してくれた。
愛してるよ兄さん。
よくもやってくれたな。

「で、どうしたもんかな…」

 家族、って言っても働いて家借りて
みんなで一緒に暮らしましょう。ってそんな悠長かつ暢気なものじゃない。
各自がそれぞれに勝手に暮らしてるし、
家族同士でもほとんど顔をあわせない奴も居るらしい。
勝手に生活して、勝手に殺して、勝手に家族と名乗ってる。
集団、仲間、家族、一つのコミュニティとしてのルールがない。

『何よりも家族を優先するべし』

 それだけが零崎一族として果たすべき、守るべき事象だと双識の兄さんは言っていた。

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 05:43:56.61 ID:Bkh/SjoKO
>>56
嘘だろ承太郎?
ネコソギの下巻出てなくね?

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 05:48:00.26 ID:yV6kUziRO
>>59
ノベルサイズと文庫版も集めてるのか

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 05:50:51.49 ID:pQHogdkRO
緯識…読めん…いしきか?

マインドレンデル=レン
シームレスバイアス=アス
ボルトキープ=トキ
ペリルポイント=リル


なんたらキョンたら=キョン


62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 05:50:53.90 ID:Bkh/SjoKO
>>60
すいません人間ノックは図書館で借りてきました、戯言シリーズは文庫を収集中でネコソギは一気に読みたいから我慢しているわけです

ちょっと潤さんに蹴られてくる

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 05:53:00.24 ID:pQHogdkRO
>>62
百万年はえーよ、童貞くん

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 05:53:29.32 ID:itgStgZpO
>>58

「つっても本当に言ってただけだからな…。
 その後の方針とか今後俺がどうしたらいいのかとかさっぱりきっかりわからん…」

 大体、あんだけ俺が殺人狂で
誰かを見かけたら殺す、何が何でも殺す、是が非でも殺す、老若男女問わず殺す
みたいな奴だと言っていた癖に、結局放置してどっか行っちまったし…。
そもそもこの町に俺がとどまるのって不味くないんですかね?
宇宙製のインタフェースとは言え人を殺してる上に、上記のような常軌を逸した俺の現状。
正直ハルヒやなんやらに会うのは非常にまずいし。
家に帰るわけにも行かない。
[<font color="red">ピーーー</font>]ことに躊躇いがあるというか、単に後味が悪そうという自分の感覚。
そしてその感覚すら受け入れてる自分。そして受け入れてる自分をなにも思わない自分。

「つまるところ無感情ってこった」

 口にしてみた。
えらくシンプルになった。

「しかし参ったな、双識の兄さんの愛弟のように放浪しようにも金が無いし。
 個人所有の家なんかも無いし…、いや路頭に迷ってるな…」

 殺して金をぶん取るという選択もあるが、
やっぱり俺にはどでかい鋏も鉛の釘バットも、ただのナイフすらも無いのだった。

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 05:56:51.49 ID:itgStgZpO
またミス
規制だからパー速に一旦投下→携帯でコピペして投下してるから
殺すって単語がピーに なる、一々直して投下するとくどいから
すまないが脳内変換よろ

66 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 06:04:02.47 ID:zVjTjVFz0
パー速は目欄にsagaっていれると単語規制解除されるよ

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 06:07:30.35 ID:itgStgZpO
>>66
ギコナビの効果で常時下げになってますが
その結果がこれだよ!

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 06:09:52.36 ID:itgStgZpO
>>64

「いや、あればさくっと殺したのかっていったら…」

 まぁ殺すんだろうな。
双識の兄さん曰く。しかし会話してる限り、
そして自分自身を観察しこうやって思考を流してる限り、
零崎の大将や兄さんやその他の人たちも個性的ではあるが普通に見えたし、
俺自身もなにかわかりやすくなにかが変わったようには思えない。

「…精神病は自覚症状ないのが多いと聞くしな」

 ただ、それでもわかった。理解はできないがわかった。
頭でなく心で理解できた、とでもいうのかね? 感覚的に、
あぁ、同じだな。一緒だな。変わらないな。そう思った。

 一人で一頻り頷いてからポケットに手を突っ込む、
財布と分けて持ってる緊急用の金銭が全部で1257円。
百円均一ショップ行ってカッターナイフの一つでも所持しておくか?
いや、でもカッターを持ってレジに向かったらレジの人を殺してしまうかも知れんな…。
しかし万引き行為に走るのはごめんだ。
殺戮に抵抗がなくなっても、その他のボーダーまで一律で下がったわけじゃない。
そもそも万引きはやったことない、不慣れな手つきでつかまって殺人量を増やすわけにもいかん。

「…まぁ、そんときはそんときだろ」

69 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 06:10:02.99 ID:zVjTjVFz0
うん?ギコナビは目欄書換ができないのか?

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 06:13:50.07 ID:yla26S2NO
ようやく落ちたと思ったらまたたっとるな。
好きだけどパー即池

71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 06:28:40.99 ID:Bkh/SjoKO
潤さんのことを何回も名字で呼ぶいーちゃんは間違いなくドM

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 06:34:53.10 ID:itgStgZpO
>>68

―――

 結果、として俺がこの行動によって手に入れたもの、導き出したものと言えば。
非常に危うくはあるものの、しかし敵対行動をとらない者に対しての殺戮衝動は
自分の意思で抑える事ができるという結論だった。

「…そりゃそうか、じゃなかったらいくらなんでも生活できないよな。
 食い物とかだって買い物しなくちゃ手に入らないし、この辺は慣れなんだろうか?」

 俺は安っぽいカッターナイフを三本と、替え刃。
あとは飲み物と菓子パンを買って店からでた。
一応曲がりなりにも刃物を持つと安心感が違う、
そしてポケットに入れたカッターをいじりながら誰かがこう来たら振り向きざまにとか、
正面からきたらどう往なしてどこをどういう風に切り裂くのが一番効率がいいかとかを
余念無く、予断無く、頭の中で組み立てていく。

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 06:37:00.54 ID:itgStgZpO
>>72

 ふと、自分の足が店からでてから
素直に自宅に向かってることに気がついた。
当たり前の、当然の行動を行っていることに気がついて。
俺は慌てて踵を返して道を戻る。

 歩くこと、それを意識的に行わなくてはいけないというのは
なかなかに億劫な作業だった。
無意識に、身の任せるままに足を動かせば必ず大なり小なり行きなれた道を選ぶ。
行きなれた場所、つまりは自宅に学校、駅前の広場に鶴屋邸なども含まれる。
そしてその全てに俺が会いたくない人間の面影がある、思い出がある。
どこに行っても誰かしらと出会いそうで、俺はあっちじゃないこっちじゃないと
知らない道を選ぼうとして、そしてそのことごとくが浅くも記憶にある場所で
俺はこの街に知らない道が無いことにまで気がついた。

 この町全ての道を、俺はSOS団だったり、異能力大事件の関係だったりで
きっちり網羅しつくしていたらしい。

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 06:38:18.27 ID:itgStgZpO
>>73


「これはいかんな…、遠出はやっぱり不可欠か」

 生まれも育ちもこの町で、徹頭徹尾この町で過ごしてきた俺。
しかし去らねばならぬというこの状況、環境、
空虚な感覚や、切なさや悲しさや後ろ髪引かれる思いが、無い。

「街をでて旅をするならするで、どこか目的地が欲しいところだな…」

 そして次の瞬間には日本列島一周なんかを妄想して
わくわくしたりする。妹の幼い笑顔も両親の柔らかな表情も、
ハルヒの騒々しい声も、古泉のシニカルな顔も、朝比奈さんのメイド姿も、
なにもかもがどうでもよくなっていた。

 いやどうでもいいわけじゃないが、
こう、価値観の変動だろうか。
長門の首を意図せずに、違う意図して、
そんなつもりは無かったが、違う明確な殺意を持って、
咄嗟にナイフを振るって、違う首を刎ねるつもりで、
殺したあの瞬間から、多分俺は別人なのだろう。

75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 06:47:39.88 ID:ud3H3G8R0
良作のラインダンスじゃないか
支援

76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 06:51:40.65 ID:itgStgZpO
おやすみGOODNight

77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 06:59:53.69 ID:ud3H3G8R0
>>76
息災と、友愛と、再開を
良作乙

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 07:24:23.78 ID:itgStgZpO
落ちる落ちる

79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 07:57:13.76 ID:FDrvlWgyO
出夢くんに一喰いされたい

80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 08:24:30.90 ID:WTAQ4zC9O


81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 08:38:22.52 ID:rqALpYlaO
きみぼくシリーズいつでるか知ってる人いる?

82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 08:54:05.26 ID:2u0pqQY50
>>81
西尾スレ見て見たけど未定らしいぜ?

83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 09:19:34.96 ID:rqALpYlaO
>>82
dクス
たしか次は中学時代の話だっけか

84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 09:23:57.39 ID:o+qxxGwQO
漫画の連載始まるからいつになることやら。

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 09:37:42.81 ID:TSQey9B7O
刀語ゲーム化希望

86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 09:54:40.69 ID:ldq/3C0nO
戯言の画集が欲しい

87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 10:41:59.99 ID:bDr/AcJ4O
保守するのも悪くない

88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 11:10:26.20 ID:pSRkhH0tO
再開を待ってるよ

89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 11:39:28.79 ID:CiLHmshNO
ほあ

90 名前:>>42 ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 11:48:06.00 ID:zVjTjVFz0
 
<寸鉄殺人(ペリルポイント)>。
よく分からん名前ではあるが、本人の強い意向によりそう呼ぶことにしよう。

この十代になったばかりのような少年は、ここ数ヶ月この周辺の町の何百かの殺人事件の犯人である。
正確な被害者の数は三百六十二人。数ヶ月でこれとは一日一殺どころじゃないな。
まあ目に入った人間を片っ端から殺していれば、このぐらいにはなるんだろうが。

とにかく長門の話によれば、彼はどこにでもいる、多少ハイテンション過ぎるきらいはあるが一応はごく普通の少年だったらしい。
だが数ヶ月前のある日突然、殺人鬼になった。
まず、同級生四名を殺害。そのまま、彼の帰り道で出会った生徒二十五名、一般人八名を殺害。
帰宅後家族四人を殺害。その後は放浪の中で出会った人々を殺し続けて先述の戦果に至るという。
当初こそさまざまな手段で、そこらの凶器と狂気でなんの一貫性もない殺害方法を取っていた彼だが、
被害者が三桁に上るあたりから炸薬・火薬による爆殺という殺し方にこだわり始めた。
ゆえにこその、爆熱の殺人鬼。

 

91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 11:55:13.38 ID:FDrvlWgyO
来た来た

92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 11:55:17.05 ID:CiLHmshNO
再開ktkr!

93 名前:>>42 ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 12:05:07.96 ID:zVjTjVFz0
 
長門によれば、彼は現在生存するD.L.L.R症候群の症例としては、最も発症度合が大きいという。
つまり、最も人を殺しているということだ。
俺の異常を考える上でもっとも分かりやすい参考であるとして、こうやって会いに来たわけだ。
そして会ってみて、よく分かった。
こいつと俺は同類だ。
殺しに積極的か、そこまで積極的ではないかという違いはあるが。

「へえ。兄ちゃんもオイラと同じなのか」

俺の事情説明を受けた<寸鉄殺人(ペリルポイント)>はそう言って笑った。

「うん。なんか同じ匂いがするってゆーか。まちがいねー、兄ちゃんも殺人鬼だ」
俺が感じていた親近感のようなものを、<寸鉄殺人(ペリルポイント)>も感じていたようだ。
しかしあれだな。名前が言いにくいというか長いというか本名で呼んだら駄目か?
「やめろよ。オイラはあっちの名前は嫌いなんだ。まあ長いってのはわかるけどそれなら略してくれていいからさ」
案外話の分かるやつだな。しかし名前で呼ばれるのを嫌うとは俺とは逆のところもあるようだ。
「じゃあ、屁リルでいいか」
「兄ちゃん発音がおかしいぞ。屁じゃないペだ」
「屁リルか」
「だからペだって」
「屁」
「ペ」
「屁か」
「ペだっつーの! ああもう言えないんならいーよ屁は抜け!」
「そうかわかった。よろしくな、リル」

 

94 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 12:14:35.30 ID:zVjTjVFz0
 
そうして、現行の人類最悪の殺人鬼、リルに俺の今後について相談したわけだが、

「は? そんなの殺せばいいだけだろ。殺したくなるんだから殺せばさ」

そんな、殺人鬼としてはまっとうな御意見を頂いた。

「いやだがな。さすがにそれはどうかと思うというか」
「なんかおかしいかー? 殺人鬼なら人殺しするのが普通だろ」
「まあ確かにそれはそうなんだが」
一応常識人である俺としては抵抗があるというか。殺すこと自体には抵抗はないが抵抗を持った方がいいのではないかと。
「なんだそりゃ。兄ちゃん人殺したいんだろ? だったら気の向くまま風の向くままに殺せばいーじゃん」
「………?」
今何か、違和感が。

 

95 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 12:21:13.11 ID:zVjTjVFz0
 
何か、ずれているような。
何か、噛み合っていないような。

「どーした兄ちゃん。まさか殺したくないなんて言わねーだろーな。
 兄ちゃんはオイラと同じ殺人鬼だろ?」
ああ、そうだ。俺は間違いなくこいつと同類の殺人鬼だ。
だが、何か。
「うん? なんだよ兄ちゃん。何が分からないってんだ? 簡単なことだろ?」
何かが、違う。
「殺したいから殺す。それだけだろ」

そうだ。それが、違う。

「リル。それだ」
「は?」
それのせいだ。その違いのせいで、俺はリルのように殺人鬼になりきれない。

「俺は、人を殺したいんじゃない。人を殺すだけだ」

俺の殺人に、意思はない。

 

96 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 12:26:37.43 ID:zVjTjVFz0
 
「何言ってんだ兄ちゃん。殺したいから殺すんだろ。意味がわかんねーぞ」
リルは本当に理解不能だ、というように首を傾げる。

だが、確かにそうなのだ。

俺の殺人に意思はなく。
俺の殺人に意味はない。
俺の殺人に殺意はなく。
俺の殺人に理由はない。

リルのように、殺意に従って殺すのではない。
殺すから、殺す。
それはきっと、本当の意味で純粋な、殺人衝動。

 

97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 12:30:04.54 ID:cVnGlMmKO
しえん

98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 12:33:31.22 ID:AR69RVAR0
上のほうで出てた鋏男をみた途端、どうしてもキョン妹とダブっちまった
「ねえねえキョンくん、ハサミー!」みたいな

99 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 12:35:29.01 ID:zVjTjVFz0
 
「わっかんねーなー。兄ちゃん頭おかしーんじゃねーの?」
リルは難しいことは考えないタイプのようだ。軽い口調で話を流す。

だが、俺にはこれが、なにか重大な欠陥のように思えた。

殺意も理由もなく人を殺すなんて、何か、間違っている。
いや、人を殺す時点で間違っているとは思うのだが、それでも何か、違うと感じる。

ある意味で、リルは順当な人殺しだ。殺人者として、間違っていない。
ならば俺はどうか。
俺はなにか、間違っているのではないか。
人殺しというにも、殺人者というにも、あるいは、人間というにも。
俺はまるで、人殺しよりも最悪な―――

「長門。他の症例者にも会ってみたい」
自然と、そんな言葉が口をついた。
何かから、逃げるように。

 

100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 12:36:08.82 ID:cVnGlMmKO
双識(CV:あおきさやか)を想像して吹いた

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