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■ キョン「――――さあ、零崎を始めよう」

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 02:34:12.96 ID:p/yrERrLO
たてた

39 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 04:48:20.26 ID:zVjTjVFz0
 
かくして。

長門に導かれ、とある街に来たのだが。



「おー、すげーな姉ちゃん。オイラの前で5秒以上生きてる奴なんて花火屋のジジイ以外じゃ初めてだ」


ああ、どうやら俺はまさにこの症候群だったらしい。
ああ間違いない。お互いに視界に入る距離になった瞬間に長門の周囲に爆炎が上がりやがった。
俺が古泉を見た瞬間に短刀を投げたのと同じ現象だろうな。
そしてなんだろうなこの親近感。
このガキの生意気な空気といい長門いきなり殺そうとしたことといい絶対に俺の好きなやつではないはずなのに、
やけにこいつのことが理解できやがる。
 

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 04:49:46.83 ID:pQHogdkRO
>>38
いーちゃん乙

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 04:50:42.24 ID:pQHogdkRO
>>39
ペリルポイントか

42 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 04:51:20.40 ID:zVjTjVFz0

「お? なんだ兄ちゃんも死んでねえじゃん。兄ちゃんもすげえな!」
俺は長門に守ってもらっただけだがな。

「で、だ。いきなり殺そうとしたことは置いておくとしよう。君がえーと、肆屍…」
「おーっと兄ちゃん! オイラはそんなカッコ悪い名前じゃねーよ!オイラは火炎の戦士、炎の王、」
なんか特撮かアニメの噛ませキャラの登場シーンっぽいな。
「無粋な突っ込みいれんじゃねー!」
いやすまん。
「まったく、空気読めっての。もっかい行くぞ? 今度はちゃんとやれよ?」
はいはい。

「よし!
 オイラの名前は肆屍なんつーカッコ悪い名前じゃねえ!
 オイラは火炎の戦士、炎の王、そして爆熱の殺人鬼!

 <寸鉄殺人(ベリルポイント)>様だあああああああ!!!!!」
 





「その名前(と二つ名)はカッコイイのか?」
「うるせええええええええええ!!!!!!!!!」
 

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 04:51:44.65 ID:cauHqn24O
キョン「出でよ、コァンヤァ!」

44 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 04:54:05.42 ID:zVjTjVFz0
ペとベを間違えたけど眠いから俺は寝るぜ

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 04:55:23.32 ID:Bkh/SjoKO
ペリルポインヨって誰だっけ?

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 04:57:27.11 ID:pQHogdkRO
>>44

先んじてすまんかった

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 04:58:52.10 ID:pQHogdkRO
>>45
爆弾魔


48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 04:59:36.69 ID:j99buVU0O
人間人間までしか読んでないんだか
ペリルポイントって人間関係で出てきたの?

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 05:01:50.40 ID:Ud5yTT5kO
人間人間まではペリルポイントって詳細不明だった希ガス
なんにせよ支援

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 05:07:15.89 ID:pQHogdkRO
メフィストも読もうぜ!



ちなみに裏切同盟やら呪い名やらも既刊で詳細が判明
死吹怖いよ死吹

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 05:10:59.50 ID:j99buVU0O
>>50
そうなのか、ありがとう

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 05:12:59.04 ID:Bkh/SjoKO
今人間ノックを読んでる訳だが

ペリルポイントってどっかで名前だけ出てなかったか?
つうか二つ名大杉ワロエナイ

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 05:21:35.99 ID:pQHogdkRO
>>52
戯言シリーズでもちょいと名前だけ出てる。
二つ名の厨二臭と言葉遊びがたまらなくないかね?

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 05:40:04.57 ID:itgStgZpO
前スレ>>366


「え〜っと? 大将? これ、え? これが獲物な訳?
 これで人を殺す場面が想像できないんだけど?
 武器に殺される勢いなんだけど、マジで言ってるんですかい?」

 零崎軋識、愚神礼賛、シームレスバイアスなので双識の兄さんとか
一族のなかでも親しい人間には通称アスと呼ばれてたり。
してるらしいが、ちょっと待ってくれ。鉛? これ全部が鉛?

「…頭の5cm上から落とされただけで死にそうだ」

 麦藁帽子に汚れたタオルを首にかけて、
田舎の軽トラにスイカとかを乗せて畑耕してそうな大将。
兄さんのあの狂気蠢く鋏に続いて身近な物を極限まで凶悪化させてるシリーズだ。

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 05:40:13.23 ID:Bkh/SjoKO
>>53
嫌いだったら戯言シリーズ集めてないっていうwww
早く文庫サイズで出してください><

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 05:41:04.88 ID:itgStgZpO
>>55

でてるだろ

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 05:42:01.47 ID:itgStgZpO
>>54


 対する俺はというと別になにがあるわけじゃない。
ただただ双識の兄さんに連れてこられた、というかついてきたのか。
俺は一人しか殺してない、殺人鬼未満の存在だ。
当然愛用の殺戮道具なんて常備しては居ないのだが、

 ふぅん…、零崎ってのはこんなのの集まりなのか。
話は道中双識の兄さんに聞いてはいたが、
俺もやっぱりなにかしら特出した武器を創作するべきなのかね?

「ほら緯識、それはアスに返してあげなさい。アスはそのバットにお熱だからね、
 五分以上手元を離れてると暴れる程なんだ。気持ち悪い変態だろ?」
「おめぇに言われてくないっちゃ…。大体変な嘘を吹聴すんなレン、
 新しい家族に変態扱いされるのを良しと出来るほど俺は心が広くないっちゃ」
「そうかい? 私はいくら変態と呼ばれても構わないよ、むしろ歓迎だね。
 そういった、一見罵詈雑言ともとれる言葉を交わすことでより親密度が増す」
「変態っちゃな」
「変態ですね」

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 05:43:09.60 ID:itgStgZpO
>>57


―――

 零崎緯識。
姓は零崎、名は緯識。
それは俺という個の名前となった。
殺人鬼としての新しい俺の、名前。
家族、という言い方にまだ若干の違和感はある物の
とにかく零崎一族からの呼ばれ方は相変わらずのキョンだったりする。

 久方ぶりにまともに名で呼んでもらえると思ったのだが、
悲しいかな双識の兄さんはキョンを一日で家族全員に浸透させることに成功してくれた。
愛してるよ兄さん。
よくもやってくれたな。

「で、どうしたもんかな…」

 家族、って言っても働いて家借りて
みんなで一緒に暮らしましょう。ってそんな悠長かつ暢気なものじゃない。
各自がそれぞれに勝手に暮らしてるし、
家族同士でもほとんど顔をあわせない奴も居るらしい。
勝手に生活して、勝手に殺して、勝手に家族と名乗ってる。
集団、仲間、家族、一つのコミュニティとしてのルールがない。

『何よりも家族を優先するべし』

 それだけが零崎一族として果たすべき、守るべき事象だと双識の兄さんは言っていた。

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 05:43:56.61 ID:Bkh/SjoKO
>>56
嘘だろ承太郎?
ネコソギの下巻出てなくね?

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 05:48:00.26 ID:yV6kUziRO
>>59
ノベルサイズと文庫版も集めてるのか

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 05:50:51.49 ID:pQHogdkRO
緯識…読めん…いしきか?

マインドレンデル=レン
シームレスバイアス=アス
ボルトキープ=トキ
ペリルポイント=リル


なんたらキョンたら=キョン


62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 05:50:53.90 ID:Bkh/SjoKO
>>60
すいません人間ノックは図書館で借りてきました、戯言シリーズは文庫を収集中でネコソギは一気に読みたいから我慢しているわけです

ちょっと潤さんに蹴られてくる

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 05:53:00.24 ID:pQHogdkRO
>>62
百万年はえーよ、童貞くん

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 05:53:29.32 ID:itgStgZpO
>>58

「つっても本当に言ってただけだからな…。
 その後の方針とか今後俺がどうしたらいいのかとかさっぱりきっかりわからん…」

 大体、あんだけ俺が殺人狂で
誰かを見かけたら殺す、何が何でも殺す、是が非でも殺す、老若男女問わず殺す
みたいな奴だと言っていた癖に、結局放置してどっか行っちまったし…。
そもそもこの町に俺がとどまるのって不味くないんですかね?
宇宙製のインタフェースとは言え人を殺してる上に、上記のような常軌を逸した俺の現状。
正直ハルヒやなんやらに会うのは非常にまずいし。
家に帰るわけにも行かない。
[<font color="red">ピーーー</font>]ことに躊躇いがあるというか、単に後味が悪そうという自分の感覚。
そしてその感覚すら受け入れてる自分。そして受け入れてる自分をなにも思わない自分。

「つまるところ無感情ってこった」

 口にしてみた。
えらくシンプルになった。

「しかし参ったな、双識の兄さんの愛弟のように放浪しようにも金が無いし。
 個人所有の家なんかも無いし…、いや路頭に迷ってるな…」

 殺して金をぶん取るという選択もあるが、
やっぱり俺にはどでかい鋏も鉛の釘バットも、ただのナイフすらも無いのだった。

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 05:56:51.49 ID:itgStgZpO
またミス
規制だからパー速に一旦投下→携帯でコピペして投下してるから
殺すって単語がピーに なる、一々直して投下するとくどいから
すまないが脳内変換よろ

66 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 06:04:02.47 ID:zVjTjVFz0
パー速は目欄にsagaっていれると単語規制解除されるよ

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 06:07:30.35 ID:itgStgZpO
>>66
ギコナビの効果で常時下げになってますが
その結果がこれだよ!

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 06:09:52.36 ID:itgStgZpO
>>64

「いや、あればさくっと殺したのかっていったら…」

 まぁ殺すんだろうな。
双識の兄さん曰く。しかし会話してる限り、
そして自分自身を観察しこうやって思考を流してる限り、
零崎の大将や兄さんやその他の人たちも個性的ではあるが普通に見えたし、
俺自身もなにかわかりやすくなにかが変わったようには思えない。

「…精神病は自覚症状ないのが多いと聞くしな」

 ただ、それでもわかった。理解はできないがわかった。
頭でなく心で理解できた、とでもいうのかね? 感覚的に、
あぁ、同じだな。一緒だな。変わらないな。そう思った。

 一人で一頻り頷いてからポケットに手を突っ込む、
財布と分けて持ってる緊急用の金銭が全部で1257円。
百円均一ショップ行ってカッターナイフの一つでも所持しておくか?
いや、でもカッターを持ってレジに向かったらレジの人を殺してしまうかも知れんな…。
しかし万引き行為に走るのはごめんだ。
殺戮に抵抗がなくなっても、その他のボーダーまで一律で下がったわけじゃない。
そもそも万引きはやったことない、不慣れな手つきでつかまって殺人量を増やすわけにもいかん。

「…まぁ、そんときはそんときだろ」

69 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 06:10:02.99 ID:zVjTjVFz0
うん?ギコナビは目欄書換ができないのか?

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 06:13:50.07 ID:yla26S2NO
ようやく落ちたと思ったらまたたっとるな。
好きだけどパー即池

71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 06:28:40.99 ID:Bkh/SjoKO
潤さんのことを何回も名字で呼ぶいーちゃんは間違いなくドM

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 06:34:53.10 ID:itgStgZpO
>>68

―――

 結果、として俺がこの行動によって手に入れたもの、導き出したものと言えば。
非常に危うくはあるものの、しかし敵対行動をとらない者に対しての殺戮衝動は
自分の意思で抑える事ができるという結論だった。

「…そりゃそうか、じゃなかったらいくらなんでも生活できないよな。
 食い物とかだって買い物しなくちゃ手に入らないし、この辺は慣れなんだろうか?」

 俺は安っぽいカッターナイフを三本と、替え刃。
あとは飲み物と菓子パンを買って店からでた。
一応曲がりなりにも刃物を持つと安心感が違う、
そしてポケットに入れたカッターをいじりながら誰かがこう来たら振り向きざまにとか、
正面からきたらどう往なしてどこをどういう風に切り裂くのが一番効率がいいかとかを
余念無く、予断無く、頭の中で組み立てていく。

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 06:37:00.54 ID:itgStgZpO
>>72

 ふと、自分の足が店からでてから
素直に自宅に向かってることに気がついた。
当たり前の、当然の行動を行っていることに気がついて。
俺は慌てて踵を返して道を戻る。

 歩くこと、それを意識的に行わなくてはいけないというのは
なかなかに億劫な作業だった。
無意識に、身の任せるままに足を動かせば必ず大なり小なり行きなれた道を選ぶ。
行きなれた場所、つまりは自宅に学校、駅前の広場に鶴屋邸なども含まれる。
そしてその全てに俺が会いたくない人間の面影がある、思い出がある。
どこに行っても誰かしらと出会いそうで、俺はあっちじゃないこっちじゃないと
知らない道を選ぼうとして、そしてそのことごとくが浅くも記憶にある場所で
俺はこの街に知らない道が無いことにまで気がついた。

 この町全ての道を、俺はSOS団だったり、異能力大事件の関係だったりで
きっちり網羅しつくしていたらしい。

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 06:38:18.27 ID:itgStgZpO
>>73


「これはいかんな…、遠出はやっぱり不可欠か」

 生まれも育ちもこの町で、徹頭徹尾この町で過ごしてきた俺。
しかし去らねばならぬというこの状況、環境、
空虚な感覚や、切なさや悲しさや後ろ髪引かれる思いが、無い。

「街をでて旅をするならするで、どこか目的地が欲しいところだな…」

 そして次の瞬間には日本列島一周なんかを妄想して
わくわくしたりする。妹の幼い笑顔も両親の柔らかな表情も、
ハルヒの騒々しい声も、古泉のシニカルな顔も、朝比奈さんのメイド姿も、
なにもかもがどうでもよくなっていた。

 いやどうでもいいわけじゃないが、
こう、価値観の変動だろうか。
長門の首を意図せずに、違う意図して、
そんなつもりは無かったが、違う明確な殺意を持って、
咄嗟にナイフを振るって、違う首を刎ねるつもりで、
殺したあの瞬間から、多分俺は別人なのだろう。

75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 06:47:39.88 ID:ud3H3G8R0
良作のラインダンスじゃないか
支援

76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 06:51:40.65 ID:itgStgZpO
おやすみGOODNight

77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 06:59:53.69 ID:ud3H3G8R0
>>76
息災と、友愛と、再開を
良作乙

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 07:24:23.78 ID:itgStgZpO
落ちる落ちる

79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 07:57:13.76 ID:FDrvlWgyO
出夢くんに一喰いされたい

80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 08:24:30.90 ID:WTAQ4zC9O


81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 08:38:22.52 ID:rqALpYlaO
きみぼくシリーズいつでるか知ってる人いる?

82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 08:54:05.26 ID:2u0pqQY50
>>81
西尾スレ見て見たけど未定らしいぜ?

83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 09:19:34.96 ID:rqALpYlaO
>>82
dクス
たしか次は中学時代の話だっけか

84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 09:23:57.39 ID:o+qxxGwQO
漫画の連載始まるからいつになることやら。

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 09:37:42.81 ID:TSQey9B7O
刀語ゲーム化希望

86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 09:54:40.69 ID:ldq/3C0nO
戯言の画集が欲しい

87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 10:41:59.99 ID:bDr/AcJ4O
保守するのも悪くない

88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 11:10:26.20 ID:pSRkhH0tO
再開を待ってるよ

89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 11:39:28.79 ID:CiLHmshNO
ほあ

90 名前:>>42 ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 11:48:06.00 ID:zVjTjVFz0
 
<寸鉄殺人(ペリルポイント)>。
よく分からん名前ではあるが、本人の強い意向によりそう呼ぶことにしよう。

この十代になったばかりのような少年は、ここ数ヶ月この周辺の町の何百かの殺人事件の犯人である。
正確な被害者の数は三百六十二人。数ヶ月でこれとは一日一殺どころじゃないな。
まあ目に入った人間を片っ端から殺していれば、このぐらいにはなるんだろうが。

とにかく長門の話によれば、彼はどこにでもいる、多少ハイテンション過ぎるきらいはあるが一応はごく普通の少年だったらしい。
だが数ヶ月前のある日突然、殺人鬼になった。
まず、同級生四名を殺害。そのまま、彼の帰り道で出会った生徒二十五名、一般人八名を殺害。
帰宅後家族四人を殺害。その後は放浪の中で出会った人々を殺し続けて先述の戦果に至るという。
当初こそさまざまな手段で、そこらの凶器と狂気でなんの一貫性もない殺害方法を取っていた彼だが、
被害者が三桁に上るあたりから炸薬・火薬による爆殺という殺し方にこだわり始めた。
ゆえにこその、爆熱の殺人鬼。

 

91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 11:55:13.38 ID:FDrvlWgyO
来た来た

92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 11:55:17.05 ID:CiLHmshNO
再開ktkr!

93 名前:>>42 ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 12:05:07.96 ID:zVjTjVFz0
 
長門によれば、彼は現在生存するD.L.L.R症候群の症例としては、最も発症度合が大きいという。
つまり、最も人を殺しているということだ。
俺の異常を考える上でもっとも分かりやすい参考であるとして、こうやって会いに来たわけだ。
そして会ってみて、よく分かった。
こいつと俺は同類だ。
殺しに積極的か、そこまで積極的ではないかという違いはあるが。

「へえ。兄ちゃんもオイラと同じなのか」

俺の事情説明を受けた<寸鉄殺人(ペリルポイント)>はそう言って笑った。

「うん。なんか同じ匂いがするってゆーか。まちがいねー、兄ちゃんも殺人鬼だ」
俺が感じていた親近感のようなものを、<寸鉄殺人(ペリルポイント)>も感じていたようだ。
しかしあれだな。名前が言いにくいというか長いというか本名で呼んだら駄目か?
「やめろよ。オイラはあっちの名前は嫌いなんだ。まあ長いってのはわかるけどそれなら略してくれていいからさ」
案外話の分かるやつだな。しかし名前で呼ばれるのを嫌うとは俺とは逆のところもあるようだ。
「じゃあ、屁リルでいいか」
「兄ちゃん発音がおかしいぞ。屁じゃないペだ」
「屁リルか」
「だからペだって」
「屁」
「ペ」
「屁か」
「ペだっつーの! ああもう言えないんならいーよ屁は抜け!」
「そうかわかった。よろしくな、リル」

 

94 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 12:14:35.30 ID:zVjTjVFz0
 
そうして、現行の人類最悪の殺人鬼、リルに俺の今後について相談したわけだが、

「は? そんなの殺せばいいだけだろ。殺したくなるんだから殺せばさ」

そんな、殺人鬼としてはまっとうな御意見を頂いた。

「いやだがな。さすがにそれはどうかと思うというか」
「なんかおかしいかー? 殺人鬼なら人殺しするのが普通だろ」
「まあ確かにそれはそうなんだが」
一応常識人である俺としては抵抗があるというか。殺すこと自体には抵抗はないが抵抗を持った方がいいのではないかと。
「なんだそりゃ。兄ちゃん人殺したいんだろ? だったら気の向くまま風の向くままに殺せばいーじゃん」
「………?」
今何か、違和感が。

 

95 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 12:21:13.11 ID:zVjTjVFz0
 
何か、ずれているような。
何か、噛み合っていないような。

「どーした兄ちゃん。まさか殺したくないなんて言わねーだろーな。
 兄ちゃんはオイラと同じ殺人鬼だろ?」
ああ、そうだ。俺は間違いなくこいつと同類の殺人鬼だ。
だが、何か。
「うん? なんだよ兄ちゃん。何が分からないってんだ? 簡単なことだろ?」
何かが、違う。
「殺したいから殺す。それだけだろ」

そうだ。それが、違う。

「リル。それだ」
「は?」
それのせいだ。その違いのせいで、俺はリルのように殺人鬼になりきれない。

「俺は、人を殺したいんじゃない。人を殺すだけだ」

俺の殺人に、意思はない。

 

96 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 12:26:37.43 ID:zVjTjVFz0
 
「何言ってんだ兄ちゃん。殺したいから殺すんだろ。意味がわかんねーぞ」
リルは本当に理解不能だ、というように首を傾げる。

だが、確かにそうなのだ。

俺の殺人に意思はなく。
俺の殺人に意味はない。
俺の殺人に殺意はなく。
俺の殺人に理由はない。

リルのように、殺意に従って殺すのではない。
殺すから、殺す。
それはきっと、本当の意味で純粋な、殺人衝動。

 

97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 12:30:04.54 ID:cVnGlMmKO
しえん

98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 12:33:31.22 ID:AR69RVAR0
上のほうで出てた鋏男をみた途端、どうしてもキョン妹とダブっちまった
「ねえねえキョンくん、ハサミー!」みたいな

99 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 12:35:29.01 ID:zVjTjVFz0
 
「わっかんねーなー。兄ちゃん頭おかしーんじゃねーの?」
リルは難しいことは考えないタイプのようだ。軽い口調で話を流す。

だが、俺にはこれが、なにか重大な欠陥のように思えた。

殺意も理由もなく人を殺すなんて、何か、間違っている。
いや、人を殺す時点で間違っているとは思うのだが、それでも何か、違うと感じる。

ある意味で、リルは順当な人殺しだ。殺人者として、間違っていない。
ならば俺はどうか。
俺はなにか、間違っているのではないか。
人殺しというにも、殺人者というにも、あるいは、人間というにも。
俺はまるで、人殺しよりも最悪な―――

「長門。他の症例者にも会ってみたい」
自然と、そんな言葉が口をついた。
何かから、逃げるように。

 

100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 12:36:08.82 ID:cVnGlMmKO
双識(CV:あおきさやか)を想像して吹いた

101 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 12:48:48.57 ID:zVjTjVFz0
 
「なんだ兄ちゃん、行っちまうのかー」と、リルは本当に残念そうな顔をした。
彼にとっては数ヶ月ぶりの人間的な会話だったのだろう。とても名残惜しそうだった。
そして別れ際、彼は不思議そうに言った。

「あれ。そういえばオイラ、兄ちゃんは殺したくなってねーな」

それは俺も同じだった。なぜか俺はリルを殺さなかった。
同類は殺さないというルールでもあるのか。まあ、大したことではないが。

そうしてリルと別れ、長門の案内で各地の症例者と会った。
症例者にはいろんな奴がいた。
鈍器を振るう奴、刀を振るう奴、素手を振るう奴。鎖やら毒やらもいた。
街中で暮らす奴、施設に押し込められた奴、山奥に潜む奴。暗殺者みたいな仕事をしている奴もいた。
そいつらはやはり、共通点を持っていた。
人を殺すこと。
殺しを始めたことに理由がないこと。
俺が親近感を感じること。俺に親近感を感じること。
俺が殺さないこと。俺を殺そうとしないこと(これには例外もいたが)。

そして、俺とは違って、殺したいから人を殺すこと。

 

102 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 12:59:50.43 ID:zVjTjVFz0
 
「……分からん」

山奥の施設に幽閉されていた同類に会った帰り、ギブアップを告げるように呟く。
「俺はあいつらと同じだ。だが、あいつらとは違う」

彼らと俺の共通項。
そして、彼らと俺の決定的な差異。

どうやら俺は、症例者のなかでも異端らしい。
殺人鬼でありながら、殺人者ではない。
異端のなかの、異端。
それはあるいは、本当の意味での狂気―――

なんだか、嫌だ。
それは、なんというか。
 

103 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 13:06:44.59 ID:zVjTjVFz0

「待って」

傍に寄り添うように歩いていた長門が、短く声をあげた。
なんだ、と思い意識を周囲に戻し、

「駄目」

視界に、向かいから歩いてくる男を収めた。

息をするように。
意思もなく。
理由もなく。
男の喉を突いた。







「……ふん。殺人鬼か。いや、変質者か」

長門に投げ飛ばされ、九死に一生を得たはずの男は、動揺を見せるようなこともなく、

「ふん。そんなことはどちらでも同じことか」

つまらなげに呟いた。

 

104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 13:08:18.20 ID:pSRkhH0tO
+(0゜・∀・)+wktk+

105 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 13:09:12.22 ID:zVjTjVFz0
いったん抜けるぜ

106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 13:10:43.92 ID:FDrvlWgyO
保守は任せれ!

107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 13:10:57.54 ID:2u0pqQY50
なんて所でじらすんだ・・・


108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 13:13:39.24 ID:MvDiNE5QO
狐さん!狐さんじゃないか!

109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 13:16:33.58 ID:pQHogdkRO
保守なんだから

110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 13:39:30.02 ID:pSRkhH0tO
( ゚∀゚)o彡°狐さん狐さん!!

保守時間表
00:00-02:00 20分以内
02:00-04:00 40分以内
04:00-09:00 80分以内
09:00-17:00 40分以内
17:00-19:00 20分以内
19:00-00:00 15分以内

これを目安に雑談しながらまったり待ちましょう(´∀`)


111 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 13:48:41.17 ID:zVjTjVFz0
 
「ああ、すまん。殺しそうになった」
特に悪びれもせずに謝るが、男はふん、つまらなげに息をつく。

「殺しそうになった、ふん。
 事実殺されてはいないのだから、殺しそうも何もないのだがな」
殺されかけたというのに、男は揺らいでいない。
まるで、殺されてはいないのだから全く構わん、というように。
あるいは、自分が殺されるのなら、それはそれで構わない、というように。

「ところで、だ。
 貴様が赤神イリアか」

「見て分からんのか」
「ふん、聞いてみただけだ」
 

112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 13:55:02.24 ID:Bkh/SjoKO


113 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 14:02:45.97 ID:zVjTjVFz0
 
「殺傷症候群。殺す者。あるいは殺し名に近すぎるモノを見に来たのだがな。
 その道中で別の殺人鬼に遭うとはな。
 ふん、どうせ遭うのならば同じことか。お前も殺傷症候群だろう」
どうやらこの男は、先程俺が会ってきた幽閉された令嬢に会いに来たらしい。
「そうか。だがあいつは少し違うぞ」

この山の奥、豪奢な鳥篭に囚われている少女も確かに症例者だった。
だが、殺人鬼と呼ぶには軽度に過ぎた。
俺やリル、他の症例者のなかでも自制が効き過ぎる。
いや、突き抜けてはいたが『こちら』とは違う方向だった。

「ふん、ならば俺が赤神イリアに会うことはないだろうな。
 貴様が赤神イリアの代替品でないというならば、赤神イリアには最初から遭うはずもなかったのだろう」
よく分からないことを言う男だ。
しかし、あらためて考えるとこの男は間違いなく変人だ。
殺されかけておきながら意にも介さず、むしろ手間が省けたというような調子。
そして長門に投げ飛ばされ木の幹によりかかり逆さになったまま話を続けるあたりもまごう事なき変質者だ。
「ふん、俺が変人であろうが変人でなかろうが、そんなことはどちらでもおなじことだ」

 

114 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 14:06:34.84 ID:zVjTjVFz0
 
「しかしあんた、なんで殺人鬼なんかに会いに来たんだ。
 あやうく殺されるところだったぞ」
俺にだが。
「殺されるところだったぞ、ふん。
 俺が殺されるのならどうせ殺される。殺されないのならば殺されないさ」
本当に分からんやつだ。
「先の質問の答えを教えてやろう」
そして無駄に偉そうな奴だ。

「見てみたかったからだ」

ああ、やはりこいつは変人だ。

 

115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 14:09:05.39 ID:pQHogdkRO
最悪支援

116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 14:09:18.55 ID:MvDiNE5QO
支援

117 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 14:13:35.35 ID:zVjTjVFz0
 
「ふん、それにしても」
男は、俺を舐めるように見る。
「なんだ」
「貴様は本当に殺人鬼だな」
なにを分かりきったことを。

「そうでもないだろう。俺は本当の殺人鬼などというものが存在するとは、初めて知った」


こいつの言っていることが、少し分かってしまった。
だがそれでも、反抗するように問う。
「なんだそれは。殺人鬼なんてのはいくらでもいるぞ。俺が知ってるだけでも二桁はいるしな」
「ふん、そいつらはただの殺人鬼だろう。貴様は本当の殺人鬼だ」
「何が違うんだよ」
「人間か、殺人鬼かだ」
ああくそ、答えるな。聞きたくない。

「貴様は殺人鬼の中の殺人鬼。異端の中の異端。窮状なまでに究極な殺人鬼だろう」

 

118 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 14:18:58.15 ID:zVjTjVFz0
 
殺したいから、殺す。
それは異常なようで、しかし紛れもなく正常。
やりたいからやるのならば。それは道理といえる。

しかし、ただ、殺すのならば?
理由もなく。意思もなく。
衝動もなく。根拠もなく。
ただ結果として、殺すのならば。
それは異常なようで、そして紛れもなく異常。

有り得るはずのない、理屈として存在しない、理屈の存在しない道理。


「貴様は殺す。結果として殺す。現象として殺す」
男は、嘲るように、称えるように、そしてやはり無関心に続ける。

「貴様はもはや、人間ではない」

 

119 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 14:31:25.74 ID:zVjTjVFz0
 
「ああ、分かってたさ」
男の糾弾に。男の賞賛に。男の通告に力なく笑う。

ただの通りすがりの変人に、最も認めたくなかったことを認めさせられるとは。
いや、長門の人払いを無視して俺の前に出てきた時点で、こいつはただの変人ではないのかもしれないが。
まあ、今となってはそんなことはどうでもいい。

とりあえずは、男に背を向ける。

「殺さないのか」
男が問うてくるが、答えるまでもないと思う。殺す理由はないのだ。殺さない理由もないが。
「あんたの言い方で言えば、あんたは俺に殺されてない。だったらあんたは俺には殺されないさ」
気障を気取って軽口を返す。
この男に、特に用はない。
俺が人間ではないと認めた今、俺が用があるものなど存在しない。
俺はもう、俺のままで終わるだけだろう。

長門の、何か言いたげな視線に、謝るように目を閉じて、
振り払うように歩き出し、


「つまらんな」

男の声を、背に受ける。

 

120 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 14:40:10.61 ID:zVjTjVFz0
 
「つまらんぞ。まったくもってつまらん。
 それだけの完成した破綻を持ちながら、ただ物語の端に沈むだけか」

男は、こちらのことなど考えもせず、自分勝手にひとりごちる。

「物語を見せればいいものを。終わらせればいいものを。
 少しは俺の役に立とうとは思わんのか」

今更ではあるが、こいつは本当に始末に終えない。
誰の都合もなく、己のみを基準として好き勝手言いやがる。

「殺す者ならば殺せというに。
 死の顕正者であるならば、俺の『死なない研究』に役立つものもあるだろうに」


「……そうは言っているが。あんた、本当は俺がどうなろうがどうでもいいんじゃないのか」
内容はともかく。その声と表情は無関心に過ぎる。
「ふん、当たり前だ」
ああくそこいつは。
 

121 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 14:53:43.72 ID:zVjTjVFz0
 
本当に、嫌なモノに絡まれたと思う。
勝手に事態のど真ん中に土足で踏み入って、
土足のまま脈絡も考えず事態に決定打を打っておきながら、
そんなことはどうでもいいと自分のあずかり知らぬところに捨て置く。
迷惑を撒き散らす災厄のような害悪。

「あんたはなんていうかそう、―――最悪だな」
「ふん、当たり前だろう。俺は人類最悪だからな」
「人類最悪か。言いえて妙だな」
「そういうお前は究極の殺人鬼だろう」
「語呂が悪いな。俺にはいい名前があるぞ」

かつて呼ばれた渾名ではなく、自ら名乗った偽名でもない、割と愛着を持っている自分の名を告げる。

「つまらん名前だ」
「人の名前を聞いて第一声がそれか。そこは世辞でもいい名前ですね、というべきだろう」
「ふん、極端に変わった名ではなく、かといって凡庸というほどでもない。半端な名だ」
「うるさい」
「第一、それはお前の名前ではないだろう」
 

122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 14:55:31.51 ID:TSQey9B7O
ふんふんうっさいな最悪wwwwww

さるさん気をつけて

123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 14:58:33.66 ID:ud3H3G8R0
ぞくぞくしてきた 支援

124 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 15:08:41.64 ID:zVjTjVFz0
 
なにを意味の分からないことを。
これは間違いなく、俺の名前だ。
実際に呼ばれることはほとんどなかったとはいえ。悲しい話だが。

「ふん。究極の殺人鬼がそんな半端な名前なものか」
テメエの偏見を俺に押し付けるな。

だがまあ、親にもらったこの名前のまま、殺人鬼になるっていうのも悪い気がするのも確かではある。
が、
「いいだろう。貴様が自分に見合った名前を持たぬと言うのならば、俺がつけてやる」
いらん。あんたのセンスは間違ってる。
「そう言うな。そうだな、貴様は殺人鬼の中の殺人鬼、異端の異端、極致の飽和だからな、」
男は何を言っても止まらない。
まあ、そういう奴だった。

 

125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 15:13:38.60 ID:sQeB8XRvO
これはあれか戯言に繋げるのか。

126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 15:16:33.26 ID:p/yrERrLO
支援支援

127 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 15:17:09.46 ID:zVjTjVFz0
 

気の済むまで、いや飽きるまで言いたい事をいって、人類最悪は去っていった。
あらためて、嫌なものに絡まれたと思う。
だがまあ、やつのふざけた態度で気が抜けたし、
やつが残した『名前』、その名付けの理由は、俺の今後を決める上で指針になったと言えるだろう。
最悪で災厄の害悪ではあったが、無価値ではなかったということか。


長門が、俺の隣にいる。
俺を、見つめている。

「どうするの」

長門は静かに、訊いてくる。
俺はその問いには答えずに、笑う。

「いや、なんというか、俺にもやるべきことがあるような気になってきた」

「そう」

「お前は、どうする?」

「私は、貴方を守る」

「そうか」

そして、歩き出す。

 

128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 15:18:02.69 ID:Nsz/eh2FO
零崎につられて

129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 15:19:23.63 ID:Bkh/SjoKO
だらだら支援

130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 15:20:07.17 ID:CsaNBWjjO
春日は知らんが戯言好きだから支援


131 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 15:27:19.21 ID:zVjTjVFz0
 

とある、町。
廃墟の立ち並ぶ郊外。

爆音が、幾重にも重なって響く。

「あー……どういう状況だ?」

瓦礫が生まれる音、瓦礫が崩れる音がする。

「おそらく、『彼』と彼を処分するために来た者が争っている」

ああ、なるほど。
あんな見境のない殺人愛好者が社会に放置されるわけもないな。
あいつを処分……捕獲だか殺害だかに来た奴に、あいつが抗ってるわけか。

「だが、あいつと戦えるっていうのはすごいな。特殊部隊とかそういうのか」
あいつは殺人鬼。殺しの技に長けているし、そして一切のためらいを持たない。
普通の人間では相手にならないと思うが。

「彼の相手も、彼のような存在の処分を専門職としている存在」
なんだそりゃ。公安零課とかそんな感じか。
「例えが分からない」
すまんな。こう、分かりやすく言い換えるとどういうやつらなんだ。
「俗に言う、暗殺者」

 

132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 15:32:35.42 ID:FDrvlWgyO
支援

133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 15:38:37.45 ID:Bkh/SjoKO
支援

134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 15:39:30.27 ID:CWcUQ+lE0
C

135 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 15:40:10.26 ID:zVjTjVFz0
 

「暗殺者、ねえ」
爆音が響く。
またひとつ、廃アパートが崩れる。
「こんな派手な戦場だと、いまいち似合わん言葉だ」
それにしても、そんなものに狙われてあいつは大丈夫なのかね。
「今の彼では、生存できる可能性はほとんどない」
「そうなのか?」
「『彼ら』は『彼』のような存在も殺す殺人の専門職。『彼』では敵わない」
「……恐ろしいな。何者だよ、そいつら」
「彼らの呼称は――『匂宮雑技団』」

「雑技団? 変わった名前だな」
「あくまで呼称。匂宮という一族の通称。それと、今『彼』と争っている『彼ら』はその一部に過ぎない。
 匂宮という一族そのものならばこの場所は彼らで埋まる」
「どんな団体様だ……じゃあ、その匂宮とやらは今はここに何人いるんだ?」
「四人。………三人」
「? 何で減らしたんだ」
「一人、今貴方が殺した」
「あ。」
いかん、気付かなかった。

 

136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 15:44:56.91 ID:TSQey9B7O
キョンの能力が計り知れないなw

137 名前: ◆nPOf42t9xA :2009/05/09(土) 15:48:05.10 ID:zVjTjVFz0
 
少年と言えるような年齢の死体に、軽く頭を下げる。
「すまん。殺しちまった」
これで二人目だ。
ついに俺も連続殺人犯に。
ん?

「どうして止めなかったんだ?」
これまでは俺が犯行を重ねるのを防いでくれていた伴侶に訊いてみる。
長門は、分かっていることを確認するように、答える。

「貴方はこれから、彼らを殺す」
「ああ」

「なら、止める意味はない」
「そうか」


二人で。
爆音の響く方向へ。

 

138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/09(土) 15:52:50.52 ID:TSQey9B7O
今更だがIDなかなかに素晴らしいな

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